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日本史 井之上勇先生の学習アドバイス

日本史

井之上勇先生

井之上勇先生

語りかける口調はとても穏やかだが、緊張感のある厳しい指導で定評がある。しかし、その厳しさは生徒の成長を思ってこそであり、講義は人気を博している。つねに生徒と同じ目線に立ち、入試問題に対する的確な思考法を教えてくれる。気がついたときには、ダイナミックな歴史の流れが一本の糸につむがれ、連綿と輝いているはずである。

高2・1生 のキミへの学習アドバイス

今年の共通テスト井之上先生はどう見た?

 会話文・発表など、示された情報のなかに正答を選択するための重大なヒントが含まれている点に、最大の特徴があるといってよいでしょう。大問の最後に配置されている小問に対応するためには、大問全体の理解・把握が必須であるケースが珍しくありません。教科書に軸足を置いた学習を進めるべきであることは言うまでもありませんが、掲載されている史料、図、グラフなどを漫然と眺めるだけではなく、どのような情報が導けるのかなど、常に考察する習慣をつけておく必要があります。

 また、正誤の判断には、時期の把握が不可欠です。年代の「暗記」に走ることはおススメしませんが、中学歴史でも登場するような重要な政策・出来事については、しっかり押さえておくようにしましょう。

実践的な環境で問題に取り組む

 日本史の入試問題は、記憶量の多寡を量るものではなく、基本的な知識を習得していることを前提に、読解力や判断力を確認するものへと完全にシフトしたといえそうです。「日本史が苦手で何をやったらよいかわからない」といった質問に対する最適解は、「実戦的な環境で問題に取り組むこと」です

 具体的には、模試を受験することが何をすべきかを判断するための最良の機会となります。未習の部分があっても、共通テストでは、問題にヒントが含まれており、ある程度解答を絞ることができます。苦手だからこそ、何をしたらよいかわからないからこそ、模試を数多く受験して、「何をすべきか」の回答を発見しましょう。

 時間が限られる高校生活のなかで、学習に集中して取り組むことは、簡単なことではないですよね。私の娘も受験学年になるので、その様子を近くで見ていて、気持ちはよくわかります。受験勉強は、大学に合格するためだけのものではなく、受験勉強を通じて得た知識や思考力は一生の宝となります。大学のその先も視野にいれつつ、日々の学習に取り組みましょう。