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日本史
井之上勇先生
語りかける口調はとても穏やかだが、緊張感のある厳しい指導で定評がある。しかし、その厳しさは生徒の成長を思ってこそであり、講義は人気を博している。つねに生徒と同じ目線に立ち、入試問題に対する的確な思考法を教えてくれる。気がついたときには、ダイナミックな歴史の流れが一本の糸につむがれ、連綿と輝いているはずである。
過去問を研究してみると、長期にわたって出題の形式、スタンスに変化が見られない大学・学部もあれば、毎年のように変化している大学・学部もあることに気づくことができます。どんな傾向であろうと、直近の問題を試験時間など本番に近い環境でできるだけ多く取り組んでおいたほうが有利であることは、間違いありません。
みなさんが受験した年に「これまでと大きく傾向が変わってしまった」などといった事態に直面することも当然考えられます。しかし、過去問10年分に取り組むことができていたならば、変化に対応する能力も身についているはずです。
第一志望の大学に合格できる、できないは一生を左右する重大事なのかもしれません。しかし、それ以上に重要なのは、目標に向かってどこまで全力を出し切ることができたかということです。学習という行為は、社会に出てからも一生続いていくべきものです。「頑張ることのできる自分」を育てておくことは、未来の自分の可能性を広げてくれます。
歴史の分野は、主に、①政治史②対外関係史③社会経済史④文化史に分けられます。歴史の軸を把握するためには、①と②の学習を優先すべきでしょう。そのあとで、③や④を①・②と関連づけながら取り組めば、総合的な理解につながり、共通テストなどで高得点を期待できるようになるはずです。
学習の中心は教科書
学習の中心は、もちろん教科書です。教科書ほど簡潔に、そして、今日までの研究成果を的確に反映した教材はありません。まずは教科書に対する認識を変えていきましょう。
歴史は、自らの人生を豊かなものにするために学ぶものです。最新の研究を反映した「教科書」を読みこなせるようになることが、大学でさまざまな分野の研究に従事するみなさんにとって、最低限の素養を身につけるためのスタートになるといえるでしょう。