大学入試の基礎知識 1⃣大学の置かれた状況 Part3
この記事は「大学入試の基礎知識 1⃣大学の置かれた状況 Part2」の続きです。そちらも併せてお読みください。
⑶今後の行方
日本私立学校振興·共済事業団の調査では、定員割れとなった私立大学の割合は、ピーク時の2008年度では47.1%であったが、2017年以降徐々に減少し、2020年度には31.0%となった。しかし2021年度から新型コロナウイルスの影響もあり、再び上昇して2022年には47.3%となり、ピーク時の2008年を超え、2024年度は過去最高の59.2%となった。その後、前年度比で高等学校等卒業者および大学·短大等の現役進学率が上昇した影響もあってか、2025年度は53.2%とやや減少したものの依然として5割を上回っている(グラフ2(P2))。
入学定員充足率の地域別の推移をみると、2016年度から2020年度にかけて、大都市圏への集中はある程度緩和されている。2021年度は新型コロナウイルスの影響により、地域を問わず全体的に下降傾向であったが、2025年度は2022年度ぶりの上昇となった(表2)。
また、私立大学は入学辞退者が出ることを見越して合格者を多めに出していたが、2018年度以降は入学者数が入学定員の1.10倍を超過しないよう合格者数を絞りこんでいる(収容定員8,000人以上の大学の場合)。
前述のとおり、現在、私立大学の53.2%が定員割れをしており、こうした状態が続くと、大学の主な収入源である授業料収入が減少してしまい、大学の経営が立ち行かなくなってしまう場合も出てくる。最悪の場合、学生募集停止から大学の閉鎖(廃校)という事態になりかねない。2025年12月の学校基本調査では、大学の数は812校で過去最多を記録した前年度より1校減となったが、18歳人口の減少は今後も継続するので、大学の淘汰は避けられないだろう。2025年も女子大の共学化や短期大学の募集停止、学校法人の合併の発表が相次いでおり、11月には文部科学省が大学の計画的な規模縮小を支援する案を示すなど、高等教育全体に規模見直しの動きがうかがえる。















