大学入試の基礎知識 4⃣一般選抜(共通テスト、個別学力試験)part3
この記事は大学入試の基礎知識 4⃣一般選抜(共通テスト、個別学力試験)part2の続きです。そちらも併せてお読みください。
⑶私立大学の一般選抜
私立大学の一般選抜は、かつては大学独自の個別試験のみで行われていた。2001年のセンター試験(当時)を利用していたのは266校であったが、2026年の共通テストは、511校(約86%)の私立大学が利用している。
私立大学入試の特徴は①何校でも併願が可能である、②複数の大学に合格してもいずれの大学の入学資格も失わない、③ほぼ全ての私立大学が複数の試験日程・試験方式を設けており受験機会が豊富にあることなどが挙げられる。
私立大学の一般選抜の方式にはいくつかあるが、①大学独自の試験のみで合否判定を行う「個別試験方式」、②共通テストの成績のみで合否を判定する「共通テスト単独方式」、③共通テストと大学独自の試験の両方の成績で合否判定を行う「共通テスト併用方式」の3つが代表的である。また、大学の全学部で共通の試験を行って受験生は同時に複数の学部・学科に出願できる「全学部統一方式」を導入する大学もある。
さらに、上智大の「TEAPスコア利用方式」のように、英語の外部試験と大学独自の試験を組み合わせた方式を導入する大学も増えている。ちなみにTEAP(ティ―プ)は、英検を主催・運営する日本英語検定協会と上智大が共同開発したテストであり、リーディング・リスニング・ライティング・スピーキングといった4つのテストで構成されている。
また、大学の所在地以外に試験会場を設けて(全国の主要都市で行う場合が多い)自宅から近いところの試験会場で受験することができる「地方会場入試」を行う大学も大規模大学を中心に増加している。青山学院大(全学部日程)は横浜・名古屋・福岡、明治大(全学部統一)は札幌・仙台・名古屋・大阪・広島・福岡、同志社大(全学部日程・学部個別日程)は札幌・仙台*・新潟*・東京・金沢・浜松*・名古屋・神戸・和歌山・米子*・岡山・広島・高松・松山*・福岡・鹿児島*といった具合だ。逆に、早稲田大や慶應義塾大などは地方会場を設けていない(2026年度入試例)。*全学部日程のみ

◆個別試験方式
多くの大学で、この個別試験方式の募集人員が最も多く、最もオーソドックスな試験方式である。個別試験の試験科目は3教科としている大学が多く、文系学部では英語、国語、地理歴史または公民または数学の3教科、理系学部では英語、数学、理科の3教科としている大学が多い。早稲田大の理工系学部や慶應義塾大理工学部などのように理科2科目が必須で計4科目を課している場合もある。このほかにも、2科目型、1科目型、得意科目重視型などがある。2科目型は受験する科目が指定されている場合もあるが、受験生が得意科目を選択できる場合や、3科目以上受験して得点の高い科目の成績を合否判定に用いる場合など、大学によってさまざまである。また、試験日を複数用意して、他大学や同一大学の他学部との併願がしやすいように配慮している大学もある。
◆共通テスト単独方式
共通テスト単独方式では、共通テストの成績のみで合否を判定し、大学独自の試験は行わない。したがって、受験生は共通テストを受けるだけで複数の大学や学部を受験することが可能で、受験料も個別試験方式より安いことが多い。また、個別試験を受けるために遠方の受験会場へ行く必要がないため、交通費や宿泊費を節約することができる。ただし、共通テスト単独方式は募集人員が少ないことが多く、倍率が高くなる傾向がある。
◆共通テスト併用方式
共通テスト併用方式は、共通テストの成績と大学独自の試験の成績の両方をあわせて合否判定を行う試験方式である。受験生の学力を多面的な角度から評価することができるが、受験生にとっては両方の試験を受けなければならず、負担が大きい。
このように、私立大学の入試制度はさまざまであり、受験機会が増えて受験生にとって有利になった反面、自分にとって最適な試験方式を見極めることが重要となっている。













