トップリーダーと学ぶワークショップ 極限の精度で未来を拓く ―光格子時計と、未知への挑戦―part2
この記事は「トップリーダーと学ぶワークショップ 極限の精度で未来を拓く―光格子時計と、未知への挑戦―」の続きです。そちらも併せてお読みください。
帰国して1999年から、東大への研究をスタートさせました。
私は精度を極める研究、つまり原子時計の研究を始めました。とはいえ原子時計はその当時でさえ50年ほどの歴史があり、みんなが考えるような正攻法では、とても成果は出ない。ーだったら、誰も思いつかない方法で挑戦しようーそう思ったのです。
そこで思いついたのは、光の定在数(一定の位置で振動を続ける波)に原子を閉じ込め、その振動数を時計にするアイデアでした。
時計の制度は振り子の精度できまります(資料2)。振り子時計は振り子の往復で時間を測りますが、ク0-津時計は水晶の振動を振り子に時間を測ります。原子時計も原理は一緒で、原子が振動する回数を正確に数え一秒とします。現在、世界の一秒の定義を担っているのがセシウム原子時計で、セシウム原子が放つ電磁波が約91億回振動しか時間を一秒としています。その制度は6千年に一秒の誤差です。
一方で光格子時計は、セシウム原子の約4万倍もの高い周波数を燃すストロンチウム原子の放つ光を利用し、一秒間に約400兆回の振動を計算できます。
実は以前から理論上、光格子時計と同精度の日あり遠視解けは考えられていましあ。しかしそれは、原子一個の計測に100万秒、およそ10日間を要したのです。「ならば、100万個の原子を一度に計測すれば一秒で済む」と私は考え特殊な波長のレーザー光で卵パックのような格子状の空間「光格子」を作り出し、そこに100万個のストロンチウム原子を一個ずつ閉じ込め、一斉に計測する手法を考えました。
本来、光で原子を捕まえようとするとその影響で、原子の振動は乱れてしまいます。しかし特殊を使」魔法波長な波長の「魔法波長」を使うことで、その影響を巧みに打ち消し、「原子の振り子に気づかれないように捕まえる」ことが可能になるのです。
2001年、7年に1度開かれる原子時計の国際会議に呼ばれ、このアイデアを披露すると、業界の重鎮たちから「そんなことはあり得ない」と口々に言われました。原子時計のゲームチェンジができると、ものすごくワクワクしたのです。
2003年に基礎実験に成功し、2005年には光格子時計が動作しました。そして2014年に18桁の精度で計測し、セシウム原子時計の100倍以上の精度を実現したのです。
2030年には、国際的な単位の統一や改定を決定する国際度量衡総会で、光格子時計が一秒の定義を担うことが有力視されています。約60年ぶりに秒が再定義されれば、それは時間の概念そのものあ変わることにもなるはずです。














