志望校の選び方 1⃣大学選びのポイント
大学の数は長らく増加傾向にあったが、2025年度の大学数は812校となり、前年度の813校から減少に転じた。2019年度からファッション・美容・観光・デザインなどの専門職業人養成に特化した専門職大学が開設され、短期大学から大学(4年制)への移行も継続しているが、18歳人口の減少という構造的な変化が大学数にも影響を及ぼし始めている。
今後も少子化の進行は止まらず、数字上では大学進学を希望した者が全員いずれかの大学に入学できる「全入」時代となっている。こうした時代だからこそ、「大学で『何を』学んだか」がますます重要視される。企業の新卒採用においても、単なる卒業資格ではなく、大学での学びの質や内容を重視する傾向が強まりつつある。
したがって、志望校を選ぶときには「自分は何を学びたいか」、「将来どんなことをしたいのか」を真剣に考えることが不可欠である。そうすることで、どの大学のどの学問分野が自分にとって必要なのかが明確になってくる。
現在の成績や苦手科目の有無だけで、安易に合格の可能性が高い大学を選ぶのは、後々のミスマッチに繋がりかねない。目先の入りやすさを優先するのではなく、自分が情熱を持って取り組める学問は何かを徹底的に吟味し、納得のいく進路を選び取ってほしい。
本特集では、志望校の選び方についての具体的なポイントを紹介する。受験を控えた高校3年生はもちろん、準備を始める高校1~2年生にも役立ててもらいたい。


1⃣大学選びのポイント
⑴自分の将来を考える
大学・学部を選ぶときには、自分の将来について真剣に考えることが重要である。時間に比較的余裕のある高1から高2の間に、「何を学びたいか」、「どのような仕事をしたいか」をじっくり考えてみよう。自分が今、興味を持っていない分野にも視野を広げてみることもいいだろう。時間に余裕があるときにこそ、いろいろなことにチャレンジしたり、本を読んだり映画を観たりすることで、本当に自分が何をしたいかが見えてくることもある。
また、コロナ禍以降、大学がオンラインイベントを開催することも多くなり、公開授業や研究室、ゼミ(ゼミナール:少人数での演習)のホームページなどもネット上で見ることができる。こうした機会を利用して、実際に大学の授業がどのように開講されているのか知ることで、具体的に進路を考えるきっかけになるかもしれない。
将来の具体的な目標がはっきりすればするほど、受験勉強のモチベーションも高まるだろう。また、模試などで点数が伸びないときにも、心の支えになるはずだ。
今春、難関大学に現役合格した人のデータを見ると、志望校を高2の3月までに決めている人が76.4%である。早目に志望校選択を開始して、時間をかけて志望校を決めるのもよいだろう。

また、高2(中高一貫校では高1の場合もある)になると、文系か理系かを選択し、それに応じたクラス編成や時間割を組む高校がほとんどだろう。選択後に文理逆の志望校を目指したいと思った場合、授業科目と入試に必要な科目が異なる場合もあるため余分に負担が増えることになりかねない。なるべく早い段階で自分の進むべき進路を決めて、そのうえで文理の選択を行いたい。
その際、「自分は数学が苦手だから文系にする」などというように今苦手な科目を基準にして決めてしまうと、自分の将来の選択の幅が狭くなり、自分のやりたいことが出来なくなって後悔することにもなりかねない。将来就きたい職業がどのような能力を必要としているのか、そのために学ぶべきことが何なのかから逆算すれば、志望する学部や文理の選択で後悔する可能性は低くなるはずだ。
また、社会科学系の学部であってもデータサイエンス等の手法を用いる分析には数学の知識が必要となるものも多く、その前提として数学的能力を求める大学・学部もたくさんある。単に科目の得意・不得意だけで決めてしまうと、大学に入ってからの学びに支障をきたしかねない。自分の将来の目標がしっかりと決まっていれば、その目標に向かうために日々の学習にも意欲的に取り組むことができるし、苦手科目の克服にもつながるだろう。
この段階では、志望校選択の幅を広げるためにも、国公立大学の受験に備えて大学入学共通テストの6教科8科目と、二次試験(前期)の2~3教科(文系は英語、数学、国語、地理歴史、公民から2~3教科、理系は英語、数学、理科から2~3教科)に対応できる基礎学力を身につけるようにしよう。













