特集 受験費用・学費・奨学金の基礎知識 part3
この記事は「特集 受験費用・学費・奨学金の基礎知識 part2」の続きです。よろしければそちらも併せてご覧ください。
1⃣ 奨学金
奨学金とは、経済的理由から修学困難な優れた学生等に、教育の機会均等及び、人材育成の観点から支援を行うもので、「貸与」または「給付」する制度である。日本学生支援機構(以下、JASSO)の調べによると、2020年度には大学に進学した学生の2人に1人が何らかの形で奨学金を利用している。奨学金はJASSOが行っているものが代表的であり、まずはJASSOの奨学金について説明していくが、そのほかにも各大学や地方自治体、交通遺児育英会などの団体が独自に行っているものもある。⑴給付奨学金
前述したように、奨学金として受け取れるお金には大きく分けて「給付型」と「貸与型」がある。給付型は原則として返還の必要のない奨学金で、卒業後に返還に追われる心配はないが、募集人員は少なく、家庭の経済状況や高校での学業成績などの条件が厳しい。しかし2020年4月から「高等教育の修学支援新制度」がスタートしており、「授業料等減免」と「給付型奨学金」の対象が拡大した。結果として2020年度には276,870人が給付を受け、その数は2024年度には350,628人にまで達している。およそ約12人に1人の学生が給付を受けている。
「高等教育の修学支援新制度」では
・世帯収入や資産の要件を満たしていること(住民税非課税世帯及びそれに準ずる世帯)
・進学先で学ぶ意欲がある学生であること(成績だけで判断せず、レポートまたは面談などで学ぶ意欲を確認)
の2つが主な要件となっている。対象になると、授業料と入学金の免除・減額を受けることができるほか、生活費として給付型奨学金が支給される。支給額は世帯収入や通う大学が国公立大学か私立大学かによって変動し、自宅通学か自宅外通学(アパートや寮)によっても変化する。
加えて2025年度からは、多子世帯(子どもが3人以上いる世帯)の学生への大学等の授業料等減免が拡充された。所得基準による制限はないが、支援額には上限があり、進学先や条件により支援内容は異なる。表6・7には制度の概要を、表8には、2027年4月から支援を受ける場合のスケジュールをまとめた。まずはJASSOや文部科学省のホームページで確認してみよう。
さらに、国の修学支援新制度の拡充に合わせて、公立大学の中からも、各自治体が住民を対象に、これまで実施されていた都道府県独自の支援を拡充して、実質的に授業料等を「無償化」するケースが現れた。これまでに、東京都の東京都立大、大阪府の大阪公立大、兵庫県の兵庫県立大と芸術文化観光専門職大の4大学が制度の対象となっている。それぞれ、学生の世帯の生計維持者(親など)が大学の所在する都府県に一定期間以上継続して居住していることや、一定以上の成績を有することなどの要件は定められているが、年収については要件が設定されていないため、生計維持者の収入にかかわらず授業料等の免除を受けることができる。これらは現時点では、対象者であっても自動的に適用される制度ではなく、支援を希望する場合には学期ごとに新規申請が必要なので入学後に必ず行うようにしよう。また、国の制度と併用する場合はそれぞれに申請が必要である点も注意が必要だ。


なお、「高等教育の修学支援新制度」の支給対象となった場合、大学に入学後も一定以上の成績を収め続けることが求められており、やむを得ない事情なしに修業年限(通常4年)での卒業ができないことが確定したり、修得単位数の合計数が標準単位数の6割以下である場合、出席率6割以下で学習意欲が著しく低いと学校が判断した場合は、奨学金の支援が停止または廃止されることがある。
なお、大学に対しても支援制度の対象となるための基準があり、対象外の大学に進学した場合は支援を受けることができない。対象大学のリストは文部科学省のホームページで「高等教育の修学支援新制度の対象機関リスト(全機関要件確認者の公表情報とりまとめ)」として公表されている。
2026年4月1日時点で確認が取れている大学は、国立大学81校、公立大学101校、私立大学587校(短期大学を除く)である。「高等教育の修学支援新制度」の利用を考えている人は、志望大学が対象となっているのかを確認しておきたい。
また、大学によっては独自の授業料減免制度を持っている場合がある。これは現金を受け取る奨学金と異なり、大学の入学金や授業料等の一部もしくは全部の支払いを免除するものである。












