特集 受験費用・学費・奨学金の基礎知識 part5
この記事は「特集 受験費用・学費・奨学金の基礎知識 part4」の続きです。よろしければそちらも併せてご覧ください。
3⃣奨学金の返還
繰り返しになるが、貸与型の奨学金は卒業後に返還が必要である。たとえば、入学してから卒業するまで毎月8万円の奨学金を受け取っていた場合、卒業した時点で計384万円を借りることになる。図1の例の場合、卒業してから20年間、毎月約20,400円の返還を続ける必要がある。
つまり、2027年4月に大学に入学し、2031年3月に卒業した場合は、2051年まで奨学金の返還が続くことになる。なお、人的保証制度(連帯保証人など)を利用せず、機関保証制度を利用した場合、保証料(図1の場合、総額約22万円)が奨学金から差し引かれる。

なお、奨学金の返還を期日までにできなかった場合、その翌日から割賦金(月々の返還金額)に対して年5%の割合で延滞金が課されていたが、2020年3月28日以降は3%に緩和された。
参考:https://www.jasso.go.jp/shogakukin/entai/entaikin.html
近年は金利の上昇により、奨学金などの借入においても返還額の総額が増加する傾向が見られる。借入を検討している場合は、余裕を持った返還計画を立てることが重要となる。また、3か月以上の延滞があると、個人信用情報機関にその情報が登録され、たとえ完済しても返還終了から5年間は削除されない仕組みとなっている。個人信用情報機関に延滞者として登録されると、卒業した後もクレジットカードが発行されなかったり、自動車ローンや住宅ローン等の各種ローンが組めなくなったりする場合があるので注意したい。
もし仮に病気・災害・経済困難などで、奨学金の返還が困難な事態に陥ったとしたら、1人で悩まずにJASSOに相談したほうがよい。それぞれの事情に応じて、「減額返還制度」「返還期限猶予制度」などの救済制度もある。
「減額返還制度」は、割賦金を2/3、1/2、1/3、1/4のいずれかに減額して、その分、返還期間を延長させる制度であり、割賦金の満額の返還が厳しい場合でも延滞なく返還を続けられる制度となっている。
また、「返還期限猶予制度」は奨学金の返還を先延ばしにすることができる制度であり、減額返還でも厳しい場合に返還を待ってもらうことができる。
これらの制度は返還額を減らしてくれるものではなく、減額や猶予を受けた分だけ返還完了までの期間が延びる点には注意が必要ではあるが、これらの制度により延長した期間に対しては利息がかからないようになっている。返還がつらいと感じたら無理せず早めに願い出るようにしよう。

奨学金は、進学時にかかる経済的負担を軽減してくれる制度ではあるが、奨学金の借りすぎが原因で、卒業後に奨学金の返還が負担となって生活が苦しくなったり、場合によっては自己破産に至ったりといった事例も少なくない。奨学金を申請する場合は、返還のことまで考えて計画的に利用し、必要以上の金額を借りないように気をつけてほしい。












