憧れの大学 人気の秘密に迫る! 第7回関西大学 システム理工学部 グリーンエレクトロニクス工学科編
日本初、グリーン×半導体電力消費増大の時代に、地球環境を守る理工系人材を育てる。
生成AIの急速な普及が電力消費を爆発的に押し上げ、電力不足への懸念が高まる中、その根幹を担う半導体技術への注目がかつてなく高まっている。その要請に応えるように、2026年4月、グリーン(環境)とエレクトロニクス(電子工学)を融合して学ぶ日本初の「グリーンエレクトロニクス工学科」が関西大学システム理工学部に誕生した。2035年には脱炭素社会の実現に向け、グリーントランスフォーメーション(GX)を担う人材が200万人以上不足するとも言われる今、この学科を牽引する教員に話を伺った。
持続可能な社会を担う理工系人材を育成地球環境を守る未来を追い続ける
システム理工学部グリーンエレクトロニクス工学科 黒川 康良教授

専門は電気・電子材料工学、半導体工学。東京工業大学(現・東京科学大学)大学院で博士(工学)取得後、同大学助教、JST(科学技術振興機構)さきがけ研究員を経て、名古屋大学大学院准教授。2026年4月より現職。太陽電池の高効率化やエネルギーハーベスティング(環境発電)の研究を専門とし、「環境・エネルギー材料工学研究室」を主宰。日本太陽光発電学会理事。
雨粒も廃棄シリコンも資源にする「環境発電」で地球の未来を拓く
身の回りのエネルギーを収穫ー環境発電という発想
取材当日、黒川先生は手のひらサイズのデバイスをそっと取り出した。環境発電センサー技術を搭載したIoTデバイスだ。電源をつながず、電池も交換せず、表面に貼られた小さな太陽電池だけで動き続け、設置した場所の温度データを定期的に電波で送り続ける。「このデバイスに振動センサーを追加すれば、老朽化した橋の異常振動を感知して、崩壊を事前に察知できます。電源配線も電池交換も不要なセンサーネットワークで、社会インフラを守ることができます」
これが黒川先生の研究テーマ「環境発電(エネルギーハーベスティング)」の目指す世界だ。太陽光、熱(温度差)、振動、そして水滴―身の回りに溢れながら、これまで捨てられてきたエネルギーを半導体を使い電力に変え、社会に役立てる。
なかでも黒川先生が力を入れて取り組んでいるのが「水滴発電」だ。ガラスの上に電荷を固定化した透明フィルムを貼り、半導体電極をパターニングしておく。「雨粒はわずかに電荷を持っています。それが表面を流れると、電極の中の電子が動かされて電流が生まれ、LEDを光らせることができます」
太陽電池の研究も続けている。今後取り組みたいテーマとして挙げたのが「室内光対応型太陽電池」だ。入射する光の種類によって発電効率が変わるため、屋外の強い日光だけではなく室内照明でも効率よく発電できる太陽電池の研究を進めていきたいという。「エネルギーをどこからでも、小さくても確実に取れるようにする。それがグリーンエレクトロニクスの出発点だと思っています」
▼環境発電センサー技術を搭載したIoTデバイス













