憧れの大学 人気の秘密に迫る! 第7回関西大学 システム理工学部 グリーンエレクトロニクス工学科編 Part3
この記事は「憧れの大学 人気の秘密に迫る! 第7回関西大学 システム理工学部 グリーンエレクトロニクス工学科編 Part2」の続きです。よろしければそちらも併せてご覧ください。
原子レベルの精密さで半導体プロセスを制御 「プロセス屋」が選んだ教育の最前線
システム理工学部グリーンエレクトロニクス工学科 大堀 大介准教授

専門は材料反応プロセス工学・電気電子工学・ナノテクノロジー。群馬高専卒業後、宮崎大学大学院で博士(工学)を取得。東北大学流体科学研究所、台湾・国立陽明交通大学で博士研究員を務めた後、東北大学流体科学研究所助教を経て、2026年4月より現職。「電子機能材料プロセス研究室」を主宰し、半導体などの電子材料を原子・分子レベルで制御する成膜・加工プロセスの研究に取り組む。
原子レベルの精密さで半導体プロセスを制御 「プロセス屋」が選んだ教育の最前線
「プロセス屋」とは ―半導体の「つくり方」を究める
大堀先生は自らを「プロセス屋」と称する。半導体を削ったり積み上げたりする製造工程を設計・最適化する研究者のことだが、先生が担うのはさらにその手前、工程の最初の一手だ。「家に例えると、柱をどう組み立てるかではなく、そもそも木をどう切るかというところから考えるんです。切り方一つで、その後のすべてが変わりますから」
半導体の加工は物理的に切るのではなく、表面に化学反応を起こして反応した分を取り除く「エッチング(削る)」と、同じく反応を利用して一層ずつ膜を積み上げる「成膜(積む)」の繰り返しだ。「削る」「積む」——その工程そのものを設計・最適化するのが「プロセス屋」だ。大堀先生の研究の核心は「数ナノメートルの反応層制御」にある。前記した半導体の加工の工程、「削る」「積む」の二つは、これまで独立した技術として扱われてきたが、大堀先生の独自性は、その両方に共通する核として化学反応によって生み出された薄い層「反応層」に注目したことだ。
「『削る』・『積む』の両方をやったことがあるから気づいたんです。これは絶対に一つの概念でまとまるはずだと。反応させる部分さえ整理できれば、その後はどんな材料にでも応用が利く」
この反応層制御の研究が直接生きる場の一つが、次世代ディスプレイの素子として注目されるマイクロLEDだ。LEDを数マイクロメートルという極小サイズに切り出す際のエッチング精度が、発光効率を大きく左右する。「雑に切ると光らなくなります。加工で傷がつくと光が弱くなり、余分な電力や発熱につながります。きれいに切れれば劣化を抑え、明るく光ってくれます」。切り方の精度が消費電力を決める、それが「グリーン」に直結する。
この世界に足を踏み入れたのは、群馬高専から宮崎大学に編入した際に所属した半導体光物性の研究室がきっかけだ。そこで在学中に始まった東北大学との共同研究をきっかけに同大学流体科学研究所へと移籍する。それまで半導体を「測定する」側だった研究スタイルが「作る」側へと変わったのは、この東北大時代だ。「作るのが楽しいと気づいたんです」。その後、台湾の国立陽明交通大学に1年間勤務し、世界最先端の半導体産業を肌で感じた。












