大学での学びの内容を知る①(環境工学・環境科学系)Part6
この記事は「特集 大学での学びの内容を知る①Part5」の続きです。よろしければそちらも併せてご覧ください。
2⃣環境工学・環境科学系の学びの実例~立命館大理工学部環境都市工学科~
■研究室での学生の学び
「私の研究室には現在、学部生と大学院生を合わせて22名ほどが所属しています。理系の研究室としてはかなり大所帯です。立命館大理工学部では大学院進学率が5割を超えていて、私立大ではかなり高い水準となっています。研究室に配属された4回生の半分が進学するので、学部生と院生がほぼ同数いて、切磋琢磨できる研究環境になっています。
研究テーマは、なるべく学生が自分自身で選ぶよう促しています。とはいえゼロから考えるのは大変ですし、先行事例に追いつくだけでも時間がかかるので、研究室として実績のあるテーマ群の中から興味のあるものを選び、その上に自分は何を積み上げるかを考えてもらう形です。修士課程までは、道の選択肢は複数あり、その中から選びとるのは学生の選択だけれど道は用意されている状態です。本当に自由にやるのは博士課程からで、そこまで進んだ学生に対しては『私の人生ではない、お前が考えろ』というスタンスです。できたものに対して拙い部分を指摘することも褒めることもするけれど、学生自身の道を私が作ること、決めることはしない、というのが私の考えです。
立命館大の学生は多様です。得意分野が一人ひとり違うんです。国立大学が比較的均質な学生を選抜するのに対して、立命館大には、例えば高校時代にはスポーツに打ち込んできた学生も入ってきます。彼らの中には入試のような形式の勉強が苦手な学生もいますが、代わりに違う種類の能力が非常に高い。だから、得意なところを伸ばして、その路線での完成を目指してもらいます。求めるクオリティに画一的なスタンダードはありません。ただし、自分でしっかりやり切った、自信を持って発表できるというところまでは必ず到達してもらう。それができないなら大学を卒業したとはいわない、というのが私の考えです。
我々環境都市工学科(1学年170名程度)における卒業後の進路は、ざっくりいうと5分の1が公務員で、残りのうちゼネコン(建設業)が5分の1、設計を担う建設コンサルタントが5分の1、そして水処理の機械やプラントを作るメーカーも主要な就職先です。浄水場や下水処理場は、ゼネコン、コンサルタント、プラントメーカーが協業して初めて作れるものなので、この業界全体が学生たちの活躍の場になります。今年からは、先ほどお話しした大津市の水道事業に大学として関わる中で、市や企業と共同で研究テーマを設定し、学生が現場の課題に取り組みながら経験を積み、経済的な支援も受けられる仕組みを始めようとしています。水道の現場でどんな人がどんな働き方をしているのかを在学中に知ることで、地域のインフラを担う仕事を進路として選ぶ学生が出てくることを期待しています。研究成果にもなり、社会のためにもなり、学生の成長にもなる、良い循環を作ろうとしているところです」
■立命館大理工学部環境都市工学科を目指す学生へのメッセージ
「皆さんがこれから生きるのは、『答えのない問い』に向き合う時代です。日本はこれから、世界のどの国も経験したことのない速さで人口が減っていきます。先人たちが作ってくれた水道や下水道などのインフラが寿命を迎える中で、同じものをもう一度作るのか、別の形を選ぶのか。頭のいい誰かが決めてくれるわけではありません。あなた自身が選択し、判断できるかが問われます。日本の教育は答えのあることを学ぶのが中心でしたが、究極の選択を迫られたときにどうするか、勇気を出して選択できるか。そういうことに取り組める人になってほしいです。自分の考えを主張するには、しっかりしたロジックが必要で、それを支えてくれるのは経験値と基礎的な勉強です。今の勉強をしっかりやっていれば、その点の心配はいりません。
立命館大は、関西の大学でありながら入学者が全国から集まる『全国区』の大学です。自分のボーダーを越えて外に出ていきたい、新しい出会いやブレイクスルーを求めたい、いい意味で強い人間になりたいという人には、背中を押してくれる大学だと思います。皆さんにもぜひ、壁を越えて外に飛び出す経験をしてほしいと思います」












