憧れの大学 人気の秘密に迫る! 第8回 国際基督教大学(ICU)リベラルアーツ英語プログラム(ELA: English for Liberal Arts Program) part2

憧れの大学 人気の秘密に迫る! 第8回 国際基督教大学(ICU)リベラルアーツ英語プログラム(ELA: English for Liberal Arts Program) part2
憧れの大学 人気の秘密に迫る! 第8回 国際基督教大学(ICU)リベラルアーツ英語プログラム(ELA: English for Liberal Arts Program) part2

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リベラルアーツ英語プログラム(ELA:English for Liberal Arts Program)

少人数制と週10コマ※の集中的な学習環境ICU生必修の「学びの土台」ーELAの正体とは? ※Stream3,4の1年次


英語力の心配は無用 伸びしろが最大なのはストリーム4

 ELAでは入学時の英語力に応じて、学生を1〜4のストリームに分けている。渡邊(金)先生自身、今学期は英語運用の経験が少ないと判断されるストリーム4を担当した。

 「ストリーム3が一番人数が多くて300人以上。2が100人程度、1が20人程度、4が120人程度です」

 ストリーム4の学生は10コマ程度ELAの授業があり、時間割のほとんどが英語になる学生もいるという。

 しかし、そこに不安を抱く必要はないと渡邊(金)先生は強調する。

 「入学時の英語コミュニケーションスキルはストリーム1・2の学生が高いですが、伸びしろが一番大きいのは、むしろストリーム4なんですよね」

 この背景には、約6年の準備期間をかけ、2012年から始動したELAのカリキュラム改革がある。それまで3段階だったクラス分けを4段階に細分化し、多様化する新入生一人ひとりに、よりきめ細かい教育を提供できる体制を整えた。

 プログラムの質を支えるのは、教員間の緊密な連携だ。大学からも絶大なサポートを受けていて、ELAには英語専任教員31人在籍し、各セクション(約20人)には必ずネイティブと日本人教員のペアが組まれる(Stream3、4の1年次の場合)。

 「同じセクションを担当する2人が日常的に情報共有できる体制です。ICUのような小規模大学で、英語の専任教員がこれだけ在籍しているのは、珍しいことです。日英バイリンガル教育を大切にしている大学の姿勢が表れていると思います。カリキュラム、教材、評価、そしてここ数年はAIに関する議論など、背景の異なる国際色豊かな教員集団が『学生にとって何がベストか』を話し合い知恵を出し合うことで、プログラムの質を高められるよう努力しています」

 学問への不安から論文作成の相談まで、寄り添う姿勢が学生の自信を育てている。


AI時代でも譲れないプロセス重視の指導方針

 近年、生成AIの存在に教育現場でも大きな関心が寄せられている。

 「正直に申し上げると、頭を抱えているところではあります」と渡邊(金)先生は打ち明ける。ELAでは現時点で生成AIの活用は組み込まれていない。

 「もちろん全学的にAI時代における学びの在り方についての議論は始まっています。しかし、私たちはプロダクト(完成した英文)の出来ではなく、プロセスを重視しています。クリティカルシンキングを育てるには、情報を鵜呑みにせず、自分で吟味・解釈・評価するプロセスが大切。基礎ができていない状態でAIを使うと、そのプロセスを飛ばしてしまうことになります。将来仕事でAIを使うことになっても、AIが書いた文章が良いかどうかジャッジできる自分自身の力がなければ、使いこなせない。自分に筋肉をつけたいのに、筋トレを誰かにやってもらうことはしないでしょう?」

 ELAで使用するテキスト教材には、あえて広めの余白が設けられている。各ページに考えを書き込む「アノテーション」を行うためだ。「読んだことに反論することも大切にしています。教科書に書いてあるから正解とは思わず、自分の考えは違うと思ったら、余白にすぐ書く」。受験で培った点ELA(English for Liberal Arts Program)とは取り主義をリセットするunlearn(学び直し)も、入学後まるまる1カ月かけて丁寧に伝えているという。

 「主体的に学び続けること、変化に対応できること、そして自分の考えをきちんと持って発信できること。その基礎をELAで学んで、ICUでの生活や卒業後に役立ててくれたら嬉しいです」

 よほど実のある学びなのだろう。ICUで学んだ卒業生が、世界中のさまざまな分野で活躍していることは、ELAが育む基礎が力になる何よりの証であり、教員や職員として戻ってくる人が少なからずいることも、ELAを含むICUの教育への評価が高いことの表れではないだろうか。

 


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