特集 大学での学びの内容を知る②(スポーツ系) part4
この記事は「特集 大学での学びの内容を知る②(スポーツ系) part3」の続きです。よろしければそちらも併せてご覧ください。
2⃣ スポーツ系の学びの実例~同志社大スポーツ健康科学部~
■研究室での学生の学び
「私の研究室では、学部生の段階では私のテーマに近いところで研究テーマを考えてもらったり、私が進めている研究の中の別の測定を担当してもらったりしています。大学院に進み質の高い研究計画を立てる実力がついた学生は、独自の研究テーマ考えて行ってもらうこともあります。テーマの幅としては、たとえば低酸素環境の酸素濃度値を私が対象としている範囲とは異なる値に変えてみるというやり方もありますし、先ほど挙げたミトコンドリア以外の要素、たとえばヘモグロビンや赤血球、ミトコンドリア形態の変化を助けるタンパク質、筋線維の組み合わせの変化などに目を向ける学生もいます。1回の実験の中で同時に見られる項目も多いので、その中から私のほうで注目すべき要素を洗い出しておき、そこから学生に割り振っていく、という形が多いです。スポーツ健康科学部というと、『スポーツ』という名前がつくこともあって、高校生からはほとんど文系学部のように見られているのではないかと思います。同志社大は私立ですから、理科や数学を受験科目とせずに入学してくる学生もいます。そうした学生でも、高校でいう理系の知識を使う研究室に興味を持ち、実験や研究に取り組めるように、1年生では高校の生物に相当する導入科目を設けています。基礎的な知識を身につけた上で、理系の分野にも進めるようなカリキュ
ラムになっています。生物の他にも、物理、統計といった分野への入口も用意をしています。私の研究室を選んでくれる学生についても、せっかくゼミに入ったのなら、ゼミの特徴となっているような実験を一通りは体験してもらうことを大事にしています。卒業後は多くの学生は営業職などに就くのですが、研究を通じて身につけた理系的な考え方や、実験を積み重ねてきた経験は、どのような職種に就いても役立つ力になると信じています」

ゼミでの実験風景
■同志社大スポーツ健康科学部を目指す学生へのメッセージ
「高校生の皆さんには、好きなこと、興味のあることに正直でいてほしいと思います。そして、『なぜそうなるのか』『どういう仕組みなのか』という疑問を大切にしてほしいです。私自身は、高校時代に陸上競技をやっていて、スポーツへの興味をそのまま素直にたどって進学先を選びました。大学でも部活動を続ける中で、どういうメニューをどう組めば強くなれるのか、そもそもトレーニングで体の中の何が変わっているのか、と疑問を持ちました。その疑問が、トレーニングによって筋肉の中のタンパク質や遺伝子がどう変わり、結果としてパフォーマンスがどう変わるのかを調べる、今の研究につながっています。また、高校で勉強している科目の中には受験ではもう利用しない科目もあるとは思います。しかし、そうした科目も『受験に必要ないから』と切り捨てず、できるだけ真面目に取り組んでほしいです。受験が近づいてくれば必要な科目に注力することはもちろん大事です。高校の授業で学ぶ各科目は、それぞれ何らかの能力を伸ばす目的で設けられています。その力は大学での研究はもちろん、社会に出てからさまざまな出来事を理解したり、新しいことを学んだりするための土台になります。私自身、大人になってから『もっと勉強しておけばよかった』と感じる場面に度々遭遇します。一方で、高校時代は部活動や友達との時間もかけがえのないものです。その中で勉強に使える時間が限られていることもよくわかります。だからこそ、目先の受験だけにとらわれたり、『好き・嫌い』や『必要・不要』だけで判断したりするのではなく、自分の可能性を広げるための学びという少し広い視点を持って、高校生活を送ってほしいと思います」












