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世界の”アート”になった日本の漫画 言葉を磨き、個性を見抜く漫画編集者②

世界の”アート”になった日本の漫画 言葉を磨き、個性を見抜く漫画編集者②
世界の”アート”になった日本の漫画 言葉を磨き、個性を見抜く漫画編集者②

 研究やビジネスの最前線を走る“現代の偉人”を講師に迎える「トップリーダーと学ぶワークショップ」。今回は『週刊少年ジャンプ』で伝説の漫画編集者と呼ばれ、2000年に集英社から独立して、漫画の編集・漫画雑誌の出版を目的としたコアミックスを設立した堀江信彦先生をお招きした。「漫画の未来と可能性」をテーマに、漫画創作における編集者の役割と言葉の大切さについて講演いただいた。


漫画の原点をつくった天才、手塚治虫

 

 日本の漫画を作り出した第一人者は手塚治虫さんであり、それに続くのが、漫画家が集まった伝説のアパート「トキワ荘」で暮らした藤子不二雄さんや赤塚不二夫さんたちです。最初に手塚先生が、映画をヒントに革命を起こしました。映画を作るときには、各シーンをどのように撮影するのかを示す絵コンテが描かれます。これは原稿用紙に情景セリフなどがざっと書かれた絵です。この絵コンテを漫画に仕立て上げたのが、手塚先生だったのです。            

 

 といっても手塚先生は最初から漫画を描こうとしていたわけではなかったようです。本当は動画のアニメーションを創りたかった。けれども、そのためには膨大な枚数を描かねばならず、人手がかかり、お金もいる。そこで動画のコンテを重ねて漫画とした。

 

 このとき手塚先生たちは、人間の脳の錯覚や補正能力をうまく活用した描き方をしました。この描き方がすごかった。うまい作家の漫画を読んでいるときは、自然に次のコマへと目が誘導されていくはずです。スマホなどの縦スクロールで読む漫画と、雑誌を広げて右上から左下に向かって読んでいく時では、実は脳の働きや生体反応が異なるのです。私達は東京大学や電気通信大学と漫画の科学的な研究に取り組んでいて、その結果によれば、縦読みに比べて右上から左下へと読んでいく時の方が、3割から4割ほど感動が大きくなります。                                

 

 もう一つ、日本には漫画を受け入れやすくなる特有の素地があります。それは漢字です。漢字はある意味、とても面倒くさい言葉でもあります。例えば、「愛」の読み方を考えてみてください。「愛(め)でる」「愛(いと)しい」「愛(まな)娘」「愛(え)媛県」という読み方がたくさんある。とはいえ「愛」という文字は象形文字から生まれた漢字で、よちよち歩きでついてくるわが子を見守る母の姿から作られました。だから日本人は「愛」という文字を見るだけで、なんとなく暖かい感情が伝わってくる。

 

 多様な読み方を持つ感じに生まれた日本人の感性を、うまく活用しているのが漫画の吹き出しです。例えば「北斗の拳」では「強敵」のふりがなにわざわざ「とも」と書いた。このふりがなで、このシーンに込められた作者の思いが確実に伝わります。このように漢字をうまく使うのも漫画の特長です。



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