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教養が人生を導く 新しい世界を読書で切り拓け①

教養が人生を導く 新しい世界を読書で切り拓け①
教養が人生を導く 新しい世界を読書で切り拓け①

ここでは、東進の実力講師陣、漢文 寺師貴憲先生の素顔に迫るエピソードを紹介。

10代の頃はどんなふうに過ごしていた?なんで教える仕事を選んだの?どんな授業をしているの?知られざる講師の一面に迫ります!


 幼い頃は「優しい子」とよく言われる少年でした。実は今も言われます。ただ、思春期の少年によくあることなのですが、権力を笠に着て力ずくで言うことを聞かせようとする人間には反発しました。根は優しく、大人しいのですが、その手のタイプの教師には、絶対に従いませんでした。    

 そのせいで、中学時代の成績はほぼ「オール2」の劣等生。勉強は嫌いなくせに、暗記は得意な方だったので、一夜漬けしかしなかったですけど、暗記科目の点数は常に上位でしたし、模試の点数もそこそこよかったです。でも、学校の成績は授業態度やなんやかんやで減点されるので、ひどい有様でした。

 中学3年で進路を決めるときは、「できれば高校には行きたくない、行くなら工業高校に行って、すぐに働きたい」と本気で主張しました。勉強も嫌いですし、早く自立して親に迷惑かけたくなかったからです。でも、中学時代、唯一親身に接してくれた先生から「高校は出たらどうだ。とにかく大学に行くという選択肢を残せ」と説得され、結果、とある私立高校の進学コースに進むことになりました。教師に反抗ばかりしていた私ですが、その先生が私にとって最初の恩師と呼べる存在になりました。


最初の読書体験と「老子」との出会い

 

 そんな中学時代に出会ったのが、芥川龍之介の『侏儒の言葉』でした。そのひねくれた視点に衝撃を受け、それ以来、何事も視点を変えていろいろな角度から見るようになりました。思えば、これが最初の、世界の見方が変わる読書体験かもしれません。

 

 そのあと、『論語』や『老子』に出会うのですが、芥川に続く読書体験を与えてくれたのは『老子』でした。『論語』は、立派な人物になれ、そのために努力せよ、と説教臭いのですが、老子がおもしろいのは「上を目指せ」と言わないところです。逆に「下を目指せ」と言うのです。「上善は水の如し」、すぐれた善は水のように、下に下に向かうものだと。これは、成績は上位ほどよい、スポーツは得意なほどよい、男はモテルほどよい、といった世俗的な価値観に居心地の悪さを感じていた僕にフィットしました。今でも、お金や地位や名声に興味はなく、車と服とか装飾品とか美食にも興味がないのは、この老子の影響です。まさに人生を変える一冊になりました。


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