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未来の日本を救う世界の研究リーダーをめざせ① 

未来の日本を救う世界の研究リーダーをめざせ① 
未来の日本を救う世界の研究リーダーをめざせ① 

「トップリーダーと学ぶワークショップ」

ワシントン大学医学部教授

今井眞一郎先生

日本の研究分野が衰退 博士号取得者数減も一因に

 日本の将来について、強い危機感を持っています。なぜなら研究の分野では、日本の力がどんどん落ちているからです。例えば世界で発表される研究論文の中でもトップクラスの論文については、中国がものすごい勢いで発表数を増やしています。これに対して2002年頃にはアメリカに次いで2位だった日本が、今でははるか下位に沈んでしまいました。

 日本のサイエンスの退潮ぶりは、人口100万人あたりの博士号取得者数にも表れています。アメリカや韓国、中国の取得者が増えているのに対して、主要国の中で日本だけが減っています。一連の事実は、国力の衰えつつある日本の状況を反映しています。現状のまま放置しておくと、今後少子高齢化が進む日本社会で、かなり複雑で大きな問題を引き起こすでしょう。

 そうならないためには、若い世代がリーダーシップを発揮し、日本を再び引き上げなければなりません。皆さんにはぜひ「自分が将来、リーダーとして起つんだ」と強く意識してもらいたい。では、どうすればリーダーとなって自分を成長させていけるのでしょうか。

 リーダーとして起つときに何より大切なのはビッグ・ピクチャー、すなわち何としても成し遂げたい大きな目標を持つことです。ビッグ・ピクチャーは、誰が聞いても「それは確かに重要だ」と納得してくれるものでなければなりません。大事だけれどもどうすれば達成できるのかが、まだ誰にもわからない。重要かつ未知の問題を自分で探し出し、ゴールに到達するための道筋を考える、それこそがリーダーです。

 そんなリーダーが自分の力をさらに高めるためには、プライオリタイゼーション、コミュニケーション、オーガナイゼーションの三つが欠かせません(資料1)。

 まずプライオリタイゼーション、すなわちやるべきことに優先順位をつけます。課題が10個あるなら、それに順番をつけてこなしていく。順番をつけると、次はその実行法を考えなければなりません。一人では実行できないから、自分と一緒にプロジェクトを進めてくれる人とコミュニケーションを取る必要があります。続いて実行する段階では、人材とお金や時間などのリソースを効率的に組織化する必要があります。その際に最も大切なのが、自分自身に期限を区切る時間のコントロールです。

資料1

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