

憧れの職業を追え! 総合電機メーカーでヨーロッパを舞台にエアコンを販売 市場の声を設計に届け製品づくりに生かす①


今や家庭から学校や塾、商業施設にいたるまで、あらゆる場所に設置されているエアコン。そんな私たちの暮らしに欠かせないエアコンや冷蔵庫を、約半世紀にわたり製造しているのが、三菱電機の静岡製作所だ。
なかでも、三菱電機のルームエアコンの代名詞である「霧ヶ峰」は、これまでに「省エネ大賞」など数々の賞を受賞。また、近年、三菱電機の空調冷熱システム事業は、海外での売上高が伸びており、トルコやインドで空調機器の新工場建設が発表されている。このようにグローバルで事業が拡大するなか、2019年に入社し、今年4月から空調海外営業第一課に異動した津野弘夢さんに、これまでの歩みや現在の仕事内容、今後の目標などについて話を聞いた。
バスケットボールに打ち込んだ中高時代諦めずに頑張った経験が今も自信に
1996年に東京で生まれた津野さん。小学生の頃から活発で、よく友達とサッカーやバスケットボールなどをして遊んでいた。先に中学受験を経験していた兄の影響もあり、小4の2月から塾へ通い、勉強をスタート。第一志望で、兄も通っていた明治大学附属明治中学校に進学した。
中学入学から高校卒業までの6年間、夢中で打ち込んだのが、部活のバスケットボールだ。津野さんの学年は約30人と部員が多く、なかなかレギュラーにはなれなかった。
「中学の3年間は、諦めの気持ちが心のどこかにありました。けれど、高校でも大好きなバスケを続けようと思ったとき、『このままじゃダメだ。もっと全力でやろう!』と決意したんです」
そうは言っても練習はきつかった。例えば、コート練習の前には、必ず体育館の外周を10周(約1500m)するタイムトライアルが3セットあった。毎日のように辞めたいと思ったが、上手くなるにはどうすればいいか、受け身ではなく自分でよく考えるようにしてから、成果が現れ始めた。
「中学では下から何番目という位置にいたのですが、高校に入ってからは、部内でAとBの2チームに分かれてコート練習をするとき、上位のAチームに入ることができたんです。厳しい6年間を乗り越えた経験から、何か壁にぶつかったとき『バスケ部の練習に比べれば、大したことはない!』と思えるようになりました。」