

憧れの職業を追え!総合電機メーカーでヨーロッパを舞台にエアコンを販売 市場の声を設計に届け製品づくりに生かす③


入社直後に任されたカタログ作成の仕事 製品知識を学ぶことで大きな壁を乗り越える
三菱電機への就職が決まり最初に配属されたのは、圧縮機営業課だ。
「圧縮機とはエアコンの室外機の中に当て、車で言えばエンジンのような、重要なパーツです。圧縮機の中には冷媒ガスがあり、それを圧縮すると温度が上がるので、その熱を暖房に活用します。一方で、圧縮していた冷媒を減圧すると温度が下がるため、それを冷房に生かしています」
そう分かりやすく説明してくれた津野さんだが、入社直後は圧縮機の仕組みや自社製品のラインナップが、まだよくわからなかった。そんな時に任されたのが、四年ほど更新されていなかった圧縮機のカタログを、新しく作り直す仕事。三菱電機では、圧縮機を自社で製造していないエアコンメーカーなどに販売。そのための重要な販促ツールがカタログだ。
「案を出しても出しても、『こんな視点でもっとよく良くできるはず』と返されて、OKが出ず大変でした。それでも、先輩に製品について教わりながら、自分でも勉強して、以前のカタログよりも分かりやすいこと、当社独自の良さがしっかり伝わることをポイントに案を練り直し、なんとかリニューアルできました」
カタログ作成の経験を通じて、圧縮機の知識を深めた津野さんは、入社二年目から三年目にかけて、台湾メーカーから大規模なプロジェクトを受注することができた。
「設計部門と連携しながら、圧縮機に関する自社の多様な独自技術について、様々な組み合わせパターンと、それぞれのメリット・デメリットを自主的に数多く提案し、どの組み合わせがお客様にとって最も価値があるかを確認していきました。結果、お客様とのコミュニケーションの回数が増え、速く丁寧なレスポンスを心がけていたこともポイントになり、受注に至りました」
この成功体験は、津野さんにとって大きな自信となっている。