


憧れの職業を追え!航空業界(日本航空株式会社)①


「空の足」として、飛行機での移動を担う航空会社。世界中でたくさんの人が利用しているのは想像つくが、航空会社はひと月にどれぐらいの飛行機を飛ばしているのだろうか?
運航便数を調べると、驚くべき数字が出てきた。例えば日本航空(JAL)が2023年6月に運航したのは国際線・国内線を合わせて2万9073便。毎月変動はあるものの、単純計算で1日に900便以上を運航していることになる。
JALでこれら膨大な数の運航便を管理し、持続可能なビジネスの戦略を練っているのが、ソリューション営業本部レベニューマネジメント推進部企画グループ。
この部署で主任を務める抽冬珠侑さんに、JALを志望した理由やこの仕事の舞台裏、やりがいなどを尋ねた。
父親の赴任地 タイで5年間生活 渋谷の中高を経て 京大に進学
珠侑さんは1994年、兵庫県で生まれた。メーカーの技術者だった父親は転勤が多く、小学校に入る前に関東に移った。その後の人生に大きな影響を与えたのは、父親の仕事の都合で小学校2年生から6年生まで過ごしたタイの首都バンコクでの生活だ。
「日本人や日本の文化がマイノリティだったタイで過ごした5年間は、今も私のなかに色濃く残っています。家族でタイの田舎やビーチ、カンボジアなど近くの国によく旅行に行って、文化の違いにも興味を持つようになりました」
中学に入学するタイミングで日本に戻ることになり、同じ時期に帰国が決まった友人が受験すると言っていた渋谷教育学園渋谷中学校を受け、合格した。
中高の6年間は、陸上の短距離走者として、100メートルを走った。熱心に取り組んだが、珠侑さんの思い出に残っているのは、学校で友人とはしゃいで過ごした、なにげない日常。
「当時から自由な校風で、携帯の持ち込みもOKでした。友だちの誕生日にはホールケーキを買ってきて、先生の部屋の冷蔵庫に保管してもらい、放課後にみんなでお祝いしました。学校生活のすべてが楽しかったですね」
受験が近づくと、「一つの文化、一つのコミュニティで生きるのはもったいない。いろいろな背景を持つ人と出会える総合大学に進みたい。」と考えた。
両親の希望もあり、関東と祖父母の家がある関西で国公立を志望。センター試験を受けた後、自由な印象のあった京都大学に挑戦することを決める。
予備校の模試ではD判定だったものの、「力試し」で受けた前期試験に合格し、2013年春、京都大学に入学した。