憧れの職業を追え!総合化学メーカー業界(東ソー株式会社)②
本記事は、憧れの職業を追え!総合化学メーカー業界(東ソー株式会社)①の続きです。こちらも併せてご覧ください。
大学院よりも魅力を感じた東ソーに入社 営業として奔走
大学では、分子生物学科を専攻した。クラミドモナスという藻類の研究を手掛け、実験を繰り返す日々。それは自分が望んでいた学生生活で、大学院に進むこともできた。そこであえて就職活動を始めたのは、「いろいろな会社を見てみたい」という好奇心に加え、研究者になる道を諦めたことも影響している。
「当初憧れていた大学への挑戦を辞めてしまったことで、研究者は自分よりも優秀な人が挑める世界だと思ったんです。そこで、研究者以外の選択肢も考えるようになりました。それに、私は生活よりもなによりも研究というタイプではなかったので、中途半端な研究をし続けても社会人として独り立ちできないんじゃないかと思っていました。」
就職活動中は、社会勉強のつもりで科学や食品などのメーカー、IT、テレビ、出版、銀行など業界問わず幅広く見て歩いた。そうするうちに、多様な人と関わることで人生が豊かになるのではないかと感じるようになった。そして、就職先として最も魅力を感じたのが東ソーだった。
「私がすごく興味を持ったいたバイオサイエンスに力を入れていたんです。ほかにも知らない素材をたくさん作っていたので、大学院に進みたい気持ちもありましたが、この会社でいろいろな人や情報に触れるのもおもしろそうだと思いました。制度も充実していて、女性でもずっと働くことが出来そうと思えたのも、就職を選んだ理由です。」
2018年春、東ソーに入社。新入社員研修を経て配属されたのは、バイオサイエンス事業部の営業部だった。
齊藤さんの仕事は、病院で使う検査機器や検査試薬などの営業。西東京の担当になり、連日、病院の検査技師を訪ね歩いた。
研修を受けたとはいえ、最初の頃は現場のビジネスマナーがよく分からず、上司や先輩にはメールのやりとりから指導を受けた。
扱っているのは繊細な機器なので、トラブルが起きることもある。そのクレームが届くのも、真っ先に対応に出向くのも、営業の役割だ。そういう時に支えてくれたのは、同じ部署の仲間だった。
「上司、先輩、同僚に恵まれていたので、なにかあっても誰かが助けてくれるという安心感がありました。」
またトラブルが起きるかもしれないと思うと不安で胃が痛くなることもあったが、信頼する上司から「どんなに準備をしていても、なにか起こる時は起こる。そこをなんとかするのが営業部の仕事なんだ。」と言われて、吹っ切れた。
学生時代、研究に使う機器に触れてきた理系の強みも生きた。納品後のアフターフォローをする際、実際に機器の点検などをすると「ありがとう、助かります。」と喜ばれたのだ。
「定期的に全国のお客様から製品や担当営業の対する表合を集計し、フィードバックを受けていました。ほとんどのお客様は忙しいので点数だけなのですが、なかにはコメントを書いてくださる方もいました。『齊藤さんにはいつもお世話になっています』という一言だけでもすごく嬉しかったですね。」