受験直前の学習で気をつけたいこと②
本記事は受験直前の学習で気をつけたいこと① ~過去問演習は本番と同じ条件で~の続きの内容です。こちらも併せてご覧ください。
⑵全ての科目をまんべんなく勉強しよう
受験の直前は弱点補強も大事だが、むしろ全ての科目をまんべんなく学習した方がよい。理系ならば地歴・公民を、文系ならば理科を集中的に学習しようとする人がいるが、実際には英語・数学・国語の配点が高いケースも多く、結果的に配点の高い科目の学習がおろそかになることも少なくない。
このように考えると、学習時間の配分の目安は「第1志望大学の科目ごとの配点」ではないだろうか。配点に比例した時間を各科目の学習にあてることが、最も理にかなっている。もちろん、苦手科目にある程度の時間を割くのは悪いことではないが、配点の高い科目で確実に得点できるよう、それが得意科目であっても十分な学習時間を配分したほうが、良い結果につながることが多い。
⑶発展的内容よりも基礎固めを重視しよう
この時期の受験生が陥りやすい思考パターンを考察してみよう。例えば「得意科目で難しい問題を解き、他の受験生と差をつけよう」と考えたことはないだろうか。もちろん、難問を解答できることが悪いことではない。しかし、他の受験生に差をつけようと、出題率の低い発展的な内容ばかりを学習し、基礎固めがおろそかになってしまうのは良くない。
入試結果を分析すると、難問では合否にほとんど影響しないことが多い。ほとんどの受験生が正答を得られないため、あまり点差がついていないからだ。一方、合否の分かれ目となっているのは、基本的な問題の正答率である。入試当日は過度の緊張状態となるため、普段は決して間違えないような基本的な問題をミスしてしまった経験を、多くの先輩たちが持っている。合格するためには、基本的な問題を確実に得点することが最も重要となる。
公式や用語・単語の確認、教科書の基本事項のおさらいなどは、試験前に一通り済ませておこう。入試本番でのケアレスミスや、基本問題の取りこぼしを防ぐのに効果的である。
さらに、模試や過去問演習で間違えた問題の見直しもしておこう。模範解答の解説を読んだり関連事項の確認をして、知識を広げておくと良い。
また、この時期に新しい問題集や参考書に手を出すのは禁物である。それよりも、以前解いた問題を繰り返し解いて、知識の定着と理解を深めるべきだ。繰り返し問題を解くことによって応用力が養われ、自信につながるだろう。
⑷文房具について
受験本番は原則定規の使用は禁止されているので、日頃から図を書く場合にフリーハンドで書けるように練習しておくことも必要だ。ちなみに、赤鉛筆やマーカーの使用も禁止であり、机の上に置くことさえ禁止である。
⑸汚い字は減点される?
私立大学の個別試験や国公立大学の2次試験など、記述式の過去問を解く場合には、「採点者に答案を読んでもらう」という意識で丁寧に答案を書くようにしよう。字が雑だったり薄すぎて読みにくかったりすると、解答が正しくても得点をもらえない可能性がある。採点者にとっても、字を判読できなければ採点のしようがないのだ。これは、小論文においてもいえることである。