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あこがれの職業を追え!① オークマ株式会社

あこがれの職業を追え!① オークマ株式会社
あこがれの職業を追え!① オークマ株式会社

~多くの人を巻き込みながら、

ものづくりの未来を支えるベースとなるシステムづくりに打ち込む~


 日本のものづくりを支える工作機械メーカーで、技術者として経験を積んだ加藤由佳さんは、その経験を生かし社内にある設計や製造のノウハウを有効活用するためのシステム構築を担う。より良い製品を顧客に届けるために。



 「縁の下の力持ち」とよく称される工作機械は、ものづくりを支える重要な産業の一つ。飛行機や車から家電、スマートフォンまで、私たちの生活の中にあるあらゆるものの部品を作り出すために、工作機械が使われている。そんな工作機械業界に惹かれ、2009年にオークマ株式会社に入社したのが加藤由佳さんだ。

 「オークマは、材料を削ったり穴を開けたりする機械部分だけでなく、必要な作業工程や使う工具の順番を数値で指示する数値制御装置(NC)まで、すべて自社で手がけているのが強みです」

 創業より125年の歴史を誇るオークマでは、1963年に日本で初めて自社でNC装置を開発。その後、コンピュータによる制御を導入し、近年では、加工精度を向上させるための微調整など、これまで作業者の熟練の技やノウハウに頼っていた部分を、人工知能やセンサーなどを駆使して自動的に行う「知能化技術」も新たに開発している。

 加藤さんは、こうした工作機械の使い方を顧客に伝えるスクールやテストカットを行う部署をはじめ、工作機械を顧客の求める仕様にカスタマイズする部署などを経て、現在は「デジタル活用革新課」で管理職を務めている。過去の工作機械の個別カスタマイズ情報を一元管理し、新たなカスタマイズや新製品を開発する際に、誰もがスムーズに情報にアクセスし、活用できるシステムを構築しようと奮闘中だ。

 「いわゆるDX(デジタルトランスフォーメーション)に取り組んでいるのですが、実際には各部門の人に困りごとをヒヤリングしたり、業務改善のためのワーキンググループを運営したりと地道な仕事が多いですね。システムを作り上げるには、多くの人を巻き込む〝旗振り役〟として力が重要だと感じています」


みんなの喜ぶ顔を最後に見たくて、率先して文化祭のまとめ役に

 1986年に三重県で生まれた加藤さん。実家は祖父の代から町工場を営んでいて、加藤さんは台車を押してお手伝いごっこをするなど、よく工場で遊んでいた。

「だからといって手先が器用でも、ものづくりが得意だったわけでもなく、料理をしたり図書館で本を読んだりするのが好きな子どもでした」

 もう一つ好きだったのが、人前に立つこと。クラス委員などは、自ら率先して務めていた。

 小学校卒業後は、中高一貫校の高田中・高等学校へ。当時の思い出として一番心に残っているのが、高1の文化祭のときにクラスのみんなで校舎の壁一面に作った「缶アート」だ。夏休み中、みんなで空き缶を集め、それを洗い、穴を開け、一枚の絵になるよう紐を通してつなげていった。

 「私はみんなに声をかけて役割分担をしたり、スケジュールを管理したり、率先して動くうちに、最終的にはリーダーになっていました(苦笑)。みんなで力を合わせて作り上げたぶん、出来上がったときの感動はひとしおでしたね!」

 このほかにも修学旅行の実行委員など、中高にわたりさまざまな委員を務めた。そのモチベーションはどこからくるのだろう?

 「自分が率先して動いて多くの人を巻き込み、目標に向かって頑張ることで、最終的にうまくいったときに、みんなと喜び合えるのが嬉しいんです。これは、今の仕事でも変わりません」

 中高となぎなた部の練習に打ち込み、中学2年では県大会で優勝し、全国大会にも出場した加藤さん。部活中心の生活だったが、引退後は勉強に打ち込んだ。特に高3の夏休みは、毎日13時間の猛勉強。部活の厳しい練習を乗り越えた経験があったからこそ、受験勉強も頑張れたと振り返る。

 部活の引退直後はどこにも受からないのではないかと心配されるような状況だったが、広島大学の工学部第一類(機械システム工学系)に合格。大学ではスキューバダイビングサークルの活動に熱中した。

 「広島大学は総合大学だったので、社会に出てからは知り合えないようなさまざまな学部の人と出会え、いろんな考え方を吸収できました。今、振り返ると、とても貴重な経験だったと思います」

 一方、講義で印象に残っているのは実習だ。実際に工作機械を使って自分の手で部品を削り、ものを作り出すのがとても楽しく、就職活動ではメーカーを志望した。なかでも、すべてのものづくりを支える工作機械業界に惹かれ活動を進めていたとき、父親のある言葉に背中を押された。

 「実は、実家の工場にもオークマの旋盤が何十年も前からあって、父に工作機械業界の中でどこがいいと思うのか聞いたとき、『オークマは老舗で、すごく頑丈な機械を作っている』と勧めてくれたんです。実際に会社へ見学に訪れると、社員の皆さんの雰囲気が温かくて、ここならやっていけそうだと実感しました」

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