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あこがれの職業を追え!② オークマ株式会社

あこがれの職業を追え!② オークマ株式会社
あこがれの職業を追え!② オークマ株式会社

本記事はあこがれの職業を追え!①の続きの内容です。こちらも併せてご覧ください。


さまざまな部署の力を一つに集結して、お客さまが求める機械を形に


 就職活動中は設計の仕事にあこがれた加藤さんだったが、設計に携わるにしても、まずは工作機械を操作できるようになりたいと、顧客に工作機械の操作方法をレクチャーし、導入後の問い合わせにも対応する部署を希望した。当時は、オークマには女性の技術者がまだ少ない中で、早く一人前として認めてもらえるよう、社内の勉強会に積極的に参加。機械保全やマシニングセンタに関する国家資格も取得した。

 4年にわたり経験を積んだ後、より顧客に近いフィールドでオークマの機械を提案したいと、自ら異動を希望し「営業技術」という部門へ。

「工作機械は、自動車や家電のようにカタログやショールームで商品を選んだら、すぐに使えるというものではありません。お客さまの削り出したい部品に合わせて、専用のカスタマイズを行ってから納品します。その窓口となり、設計や製造、加工など社内の各部署との交渉や調整を行いながら、お客さまに喜んでもらえる機械を形にするのが、営業技術の仕事。まさに旗振り役なのです」

 営業技術として働いた6年間の中で強く印象に残っているのが、ある自動車の次世代モデルに使われる、足回りの部品を削るための工作機械を担当した仕事だ。部品加工に対して求められる精度はとても高く、一つの部品を削る時間も0・1秒で短縮したいという顧客の要望に応えるには、「自分一人では何ともならなかった」と振り返る。「社内のいろいろな部門と掛け合い、力を一つに結集できたことで、無事に要望をクリアした機械を納品できました。学生の頃、文化祭や修学旅行で旗振り役を務めた経験が、社会に出てからも生きるとは思いませんでした。今振り返ると、学生時代に好きだったことや得意だったことは、仕事でも生きています。受験勉強中は合格することだけが目標になりがちですが、自分が好きなこと、得意なことを、もっともっと大事にすればよかったなと思っています」

 工作機械を納品後、自動車の次世代モデルの生産が始まり、実際にその車が街中を走る姿を見かけるように。その度に、「あの車の足回りには自分が携わった機械で削った部品が使われているんだ!」と、嬉しさが込み上げてくるという。


情報を一元管理し誰もがスムーズに活用できるシステムを目指して


 営業技術での現場の経験を買われて、冒頭で述べた「デジタル活用革新課」に異動したのは2019年のこと。この部署には、設計や開発、製造など、各部署で経験を積んだ同年代のメンバーが集まり、社内の製品情報を一元管理し、より活用しやすくするためのシステム構築を行っている。実際にそのシステムが完成すると、どんなメリットが生まれるのだろう?「例えば、5年ほど前にある会社で行ったカスタマイズと同じようなことをしたい場合、これまでは担当者に聞いて当時の資料を見せてもらい、設計内容を確認するしかありませんでした。それが、システムができれば誰でもスムーズに当時の資料を確認でき、現在の案件の参考にできます。また、設計の背景にお客さまのどんな要望があったのかも把握できるので、その声を集めていけば、新製品や新機能を開発するヒントにもなるのです」

 日本では少子高齢化が進みつつあり、今後、ものづくりの現場では人材不足が懸念されている。同時にベテラン社員が退職し、熟練の技にも頼れなくなってきている。そんな中、これまでは新製品を作る際に顧客側でどのような工作機械が必要か、どんな加工を施すかなどを検討していたが、その段階から工作機械メーカーに依頼したいというニーズが高まっている。

 「今後は工作機械だけでなく、顧客のラインや工場を丸ごと提案するような、ソリューションの提供が求められるでしょう。その際にも、現在構築しているシステムは、お客さまにより良いものを提案するためのベースとして、大いに役立つはずです」

 これからのオークマを支える基盤を築くべく、加藤さんは今日もさまざまな人を巻き込みながら、一歩ずつ前に進んでいる。




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