


特集 受験費用・学費・奨学金の基礎知識③
(2024.06.18)


本記事は特集 受験費用・学費・奨学金の基礎知識②の続きの内容です。こちらも併せてご覧ください。
⑶大学での学生生活にかかる費用
大学生生活に必要な経費としては、前述の学費や教科書代等だけでなく、さまざまなものがある。表4は大学生の平均的な支出を示したものである。学費は自宅生でも一人暮らしでもあまり変わらない。しかし生活費については、一人暮らしの学生は自宅生と比べ、国立大学、公立大学では約3.2倍、私立大学では約2.8倍の費用がかかっている。

一方、収入に関しては、家庭からの仕送りが大半を占め、そのほかに奨学金やアルバイト収入で生活費をまかなっていることがわかる。表5は1986年以降の首都圏の私立大学の学生の仕送りの月額をまとめたものだ。仕送り額が長期的には減少傾向にある一方で、家賃は増額が続いているため実質的に自由に使える金額は少なくなっている。
2023年を見ると、仕送り額89,300円から家賃69,700円を引いた額は、19,600円である。奨学金やアルバイトによる収入がなければ、生活が成り立たない。社会活動全般はコロナ禍から平常に戻りつつあるとはいえ、あらゆる物品・サービスで値上げが続いており厳しい状況に陥っている家庭もあるだろう。学業継続が困難な状況にある学生への支援策として、文科省では「困ったらまずは相談してください 経済的に困難な学生・生徒が活用可能な支援策」というタイトルで、さまざまな支援制度をホームページに取りまとめているので、確認してほしい。
参照:https://www.mext.go.jp/a_menu/coronavirus/benefit/index.html
