今回から４回にわたり、「大学での学びの内容を知る」をテーマに大学の先生方のインタビューを交えながら大学での学びについて紹介する。第１弾は「理学系」である。今回の特集では、京都大理学部と立教大理学部の学びの内容を紹介する。大学で何を学ぶべきか、大学選びの参考にしてもらいたい。

1 理学系の学びの実例①～京都大理学部～

　京都大は、1897年創立の長い歴史と伝統を持つ、世界最高水準の研究拠点を目指している大学である。その中で、理学部は、自然現象を支配する原理や法則を探求する「理学」を学ぶ学部だ。京都大理学部は、1898年に理工科大学内に数学科、物理学科、純正化学科（化学科）が設立されたことを起源とし、100年以上の歴史を持つ。

　京都大理学部では「自由にして創造性を富む気風・既成の権威や知を無批判に受け入れることなく自ら情報を探索し新たな考え方を吸収する学習態度や姿勢」を養うことを目指し、「理学科のみの１学科制」に基づく「緩やかな専門化」という教育基本方針を採用している。具体的には、学生が１～２回生のうちは狭い専門分野に限定せず幅広い学問を学習し、３～４回生になってから自らの興味や適性に応じて５つの専門分野（数学、物理学・宇宙物理学、化学、地球惑星科学、生物科学）から１つを選び、理学的素養を深化させるという教育基本方針となっている。

　また、少人数対話型教育を充実させたり、学生による自主ゼミ等の勉学活動を支援したり、フィールド実習や実験教育を取り入れたりするなど、自律的な学修姿勢を養うための体制を整えている。なお京都大理学部では、2026年度入学者選抜から特色入試（総合型選抜）が新しくなる予定である。その中には女性募集枠（宇宙・地球惑星科学入試、物理学・数学入試）の新設も含まれている。

出典：京都大「2024 年度　理学部コースツリー」