


この夏のスタートに効果的な過去問演習法①


大学入試において欠かすことのできない過去問演習。入試範囲を早期に修了し、基礎力をつけてから本格的な過去問演習に取り組むことで、より学力は伸びていく。夏はこの過去問演習に取り組む絶好の時期。志望校の出題傾向やレベルを直接知り、夏に把握した課題は、入試までに徹底的に演習をしていく。ここでは、過去問を使った学習方法について紹介していく。
なぜ過去問を解くのか?
■過去問は大学からのメッセージ
各大学・学部では、入学試験を課すことでその大学の理念に沿った人物を選ぶ。したがって、過去問とは「その大学で学ぶに値するだけの能力・思考力を有するか否か」を見極めるために出題される、各大学・学部からの問いかけであり、メッセージであるといえる。
各問題の正誤も大切だが、さらに大切なのは「出題意図が読み取れているか」「修得した知識を用いて、論理的に思考できているか」「それが答案に再現されているか」という点だ。
「出題者はどのような能力を求めてこの問題を課しているのか」を常に意識して繰り返し問題に取り組み、解答を作成してほしい。
■志望校と現在の自分との距離を知る
過去問演習は得点に一喜一憂するのではなく、志望校と現在の自分との「距離を知る」ことが大切。難易度はどのくらいなのか、現在の自分の力でどこまで解けるのかを早期に把握しておきたい。
難関大学現役合格を目指すなら、夏の間に過去問10年分を目標に取り組もう。
■出題傾向を知る
その次の課題は、志望校の「出題傾向を知る」こと。ひとくちに入試問題といっても、大学・学部によって出題傾向や形式は異なる。
例えば英語の場合、問題の数・問題文に占める長文のワード数・長文の種類(評論・説明文・小説・随筆など)・解答の方法(選択式か記述式か)・問題ごとの配点・頻出分野などが挙げられる。
こうした志望校の出題傾向について情報収集することは、これから本格的な志望校対策を進めていくうえで、非常に重要だ。