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観光学系の学びの実例~立教大観光学部~① 

観光学系の学びの実例~立教大観光学部~① 
観光学系の学びの実例~立教大観光学部~① 

観光学系の学びの実例①~立教大観光学部~


 

 立教大観光学部は、現代社会における観光の重要性をいち早く認識し、豊かな教養と専門知識を備え、観光を通じて社会に貢献できる人材の育成を目指している。そのために、観光を「ビジネス」「地域社会」「文化現象」という3つの視点から総合的に学ぶことができるカリキュラムを編成している。カリキュラムは、観光学の基礎を学ぶ講義に加え、少人数制の演習や実習、国内外でのフィールドワークなど、実践的な学びも重視した構成となっている。これらの学びを通して、学生は観光に関する幅広い知識と多様な視点、実践的なスキルを身につけ、観光の現場で活躍できる人材へと成長する。


 具体的には、以下の3つのプログラム群を柱にカリキュラムが展開される。

「ビジネスとしての観光」: 航空会社、ホテル、旅行会社など、観光産業の構造や経営、マーケティング、国際観光ビジネスなどについて学ぶ。

「地域社会における観光」: 観光開発が地域社会に及ぼす影響、観光客と地域住民との共存、持続可能な観光のあり方などについて考察を深める。

「文化現象としての観光」: 人々が観光に出かける行動や心理、文化交流、観光がもたらす文化変容など、文化と観光の相互作用について探求する。


 また、70年近くにわたる観光教育の歴史を持ち、日本の観光教育をリードしてきた強みを生かし、観光学の基礎を築いた上で、社会のニーズに応える実践的な学びを提供している。具体的には、以下のような取り組みが挙げられる。

アカデミックアドバイザー制度: 学生一人ひとりに専任教員がアカデミックアドバイザーとしてつき、学習全般のサポートを行う。

観光現場で活躍する専門家による講演会: 観光の現状や将来展望について、現場の視点から学ぶ機会を提供している。

フィールドワーク: 国内外の観光地を訪れ、地域の人々と交流しながら、観光の現場を肌で体験し、調査・研究を行う。


これらの学びを通して、学生は観光の現場で必要とされる実践的なスキルを身につけると同時に、観光を通じて社会に貢献する意識を高めていく。



■立教大観光学部 高岡文章教授インタビュー


  「私は社会学の立場から、観光が社会からどのような影響を受けるのか、そして逆に、観光が社会にどのような影響を与えるのか、という点に興味を持って研究を行っています。

 例えば、近年では中国人観光客が世界中の観光地を訪れていますが、これは中国が経済的に豊かになったからです。経済力が高まり、豊かな社会になったからこそ人々は観光に出かけることができます。社会の状況が観光のあり方を決定づけているのです。また、大ヒットした映画のロケ地に観光客が押し寄せたり、SNS で紹介された場所が観光地化したりする現象をコンテンツ・ツーリズムと言います。人々の趣味や価値観が旅行先の選択に大きな影響を与えています。さらには、年齢や性別、国籍などの社会的属性によって、旅行のスタイルも異なります。このように、観光は社会を映し出す鏡のような役割を果たしています。観光を研究することで、その背後にある社会の姿が見えてくるのです。

 観光は社会の影響を受けていると言いましたが、他方で、観光は、社会にも大きな影響を与えています。最も顕著な例は、『オーバーツーリズム』による観光地の変化です。オーバーツーリズムとは地域社会の許容量を超える大量の観光客が観光地を訪れる現象を指します。スペインのバルセロナやイタリアのベネチア、そして日本の京都などが代表的な事例と言えます。観光客の急増により、地域住民の日常生活が脅かされたり、地域住民が観光客に拒絶反応を見せたりと、さまざまな場面で軋轢や葛藤が生じています。また、大量の観光客は地域の日常に変化をもたらしています。何気ない生活風景に外国人観光客が溶け込んでいたり、外国人観光客向けの飲食店が増加したり、街頭の看板が多言語対応になったりといったように、観光の影響は私たちの日常生活の様相を変えつつあります。このように、観光客の増加によって地域の経済構造が変わったり、地域文化が変容したりするなど、観光は社会を揺るがす力を持っています。

 また、私は『参加型観光』という、観光客自身が観光を作り出す現状に着目した概念にも興味を持っています。従来の観光では、観光客はある場所に行きそこにあるものを『見る』だけの受動的な立場でした。しかし、現代の観光では、観光客自身が観光の一部となり、観光体験を作り出すという能動的な側面をもつ場合があります。その典型的な例が、渋谷スクランブル交差点での写真撮影です。それ自体は単なる交差点だった場所が、今や世界中から観光客が訪れる観光スポットになっています。観光客たちは、スクランブル交差点の人混みの中で写真を撮り、SNS に投稿します。その行為自体が新たな観光体験を生み出し、さらに多くの人を引き付けるという循環を生んでいるのです。このように、観光客自身が観光アトラクションの一部となり、新たな観光体験を作り出すといった様式が『参加型観光』です。観光客は単なる消費者ではなく、観光体験の共同制作者となっているのです。



 

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