高3の8月末の得点が同じでも秋以降の演習量で明確な差が!
受験生は夏に過去問演習をはじめ十分に学習を積むことができただろうか。演習を通じて、新たな課題が見つかったかもしれない。焦らずにその課題を克服していくのが、次のステージだ。
入試までの時間は受験生みな平等に与えられている。今月号では、入試のカギを握る「志望校対策」を取り上げた。ここでは、現役合格者にとって秋以降の鍵となる選択科目の理科・地歴に関する注目の分析結果を紹介しよう。
演習の取り組み次第で最大20点もの得点差
夏の学習を通じて、新たに見つかった課題もあるはずだ。大学入試は、ある科目で失点しても、ほかの科目でカバーして、総合点で合格を掴み取ることができる。秋以降の学習では、課題の克服とともに、これから伸びていく科目を強化することも重要だ。特に現役生にとっては、これまで十分に時間が充てられていなかったであろう理科や地歴公民といった選択科目の強化がポイントとなる。
資料は、昨年の東進に通う高3生のうち、8月末時点で東進の「共通テスト本番レベル模試」で平均点±10点に属していたグループを、演習の取り組み回数別に本番での得点を比較したものだ。演習とは東進の「過去問演習講座 大学入学共通テスト対策」の取り組み年数を示している。
順に見ていこう。地歴は、演習回数8回を超えると、3回以下の場合と比べて世界史B9.7点、日本史B19.4点、地理B4.5点の差が生まれた。理科は、物理8.4点、化学8.4点、生物9.3点の差だった。
過去問に取り組んだ東進生はその後、単元ジャンル別の演習に取り組み、さらに学習量を重ねたことで入試本番でこのような結果が生まれたと推測される。苦手な分野や未修範囲が残っている場合は、早急に終わらせて演習を重ねてほしい。
現役生は最後まで伸びる 共通テストのトレーニングは継続を
現役生は、最後まで伸びると言われるが、選択科目の強化と苦手分野の克服が今後のカギを握る。主要科目に比べ、これまで比重が軽かった選択科目の学習時間を、今後のスケジュールのなかでしっかり確保していきたい。
新課程で迎える初めての共通テストでも、対策を行うことで必ず力はついてくる。基礎力がまだ不十分という受験生は二次・私大レベルの問題に触れながら、まずは一日でも早く共通テストレベルでの合格点突破を目指そう。
今後、二次・私大の対策が中心となっていくが、共通テストのトレーニングは定期的に行っておきたい。東進では11月4日(月・休)「全国統一高校生テスト」(新課程共通テスト対応・無料招待)、12月15日(日)「最終 共通テスト本番レベル模試」の実施を予定している。模試は積極的に活用してほしい。