世界へ飛び立つ東進生①
興味を広げ深める“学び”はとても楽しいこと
「学ぶことは楽しい」。そう初めて意識したのは、中学の授業だったと、古川華帆さんは話す。 幼稚園をベルギーで、小学校をアメリカで過ごした古川さんは、ベルギーでは医師に、アメリカでは身体だけではなく心や動物を元気にしたいと、獣医や心理学者に憧れる少女だった。 帰国して入学した渋谷教育学園渋谷中学校には、帰国子女の英語力の維持・伸長を目的に、すべて英語で行われる授業があった。本を読みグループ・ディスカッションしてエッセイを書いたり、生徒たちが授業を設計し、生徒が生徒に教える課題もあり、互いに意見を交換し合う楽しさを知ったと古川さんは言う。 「友人の新たな視点に触れ、逆に自分の考えに驚かれるなど、視野が広がり考えが深まりました。1人あたり総額最大38万ドル(約5,600万円※、4年間累計)の返済不要の給付金を授与。卒業後は各分野において、日本代表として世界を舞台に大活躍する人財となることを願っています。詳しくはウェブサイトで紹介しています。 ※2024年8月のレート(1ドル147円)で計算。選抜方法「全国統一高校生テスト」決勝大会の成績と、人物評価面接により支援対象者を選抜。各学年毎年最大10名。支援内容(支援対象大学)ハーバード大学、プリンストン大学、イェール大学、スタンフォード大学、マサチューセッツ工科大学、カリフォルニア工科大学、カルフォルニア大学バークレー校への進学者に対し、1人あたり総額38万ドル(年間9.5万ドル4年間、約5,600万円)を給付。ケンブリッジ大学、オックスフォード大学への進学者に対し、1人あたり総額26万ポンド(年間6.5万ポンド4年間、約4,800万円)を給付。講義だけでは得られない新鮮な体験、それが私の“学びの楽しさ”の原点になりました」
心からのワクワクに留学を決意
高校に進み、日本と海外どちらの大学に進学するかを考え始めた古川さん。高2の夏、とある英語のプレゼン大会の優勝特典で、スタンフォード大学の「AIアルゴリズム」の短期プログラムに参加できることになった。 どうせならアメリカの大学を見てみたらとの父親の勧めもあり、計13校の大学を回った。 「大学にはそれぞれ学生主催の大学ツアーがあり、そこで出会った学生の方々から、よりよい世界を自分が作るという強い意志を感じました。もし自分もここで学べたら……、そう思うと心からワクワクしたんです」 ちょうどそのアメリカ滞在中、6月に受験した東進の「全国統一高校生テスト」の結果で、海外留学支援制度の候補者に選ばれ、いよいよ留学の意志が固まった古川さん。「東進は中3のときに入学しました。この留学支援制度の選考で最も緊張するのは、東進の永瀬理事長との最終面談と思っていたのですが、実際は日米の文化や教育について率直に話ができ、純粋に私を応援してくれていると感じて嬉しかったです」 一方、海外大学への進学に届かなかったとしても、高いレベルの環境で学びたいと東大への挑戦を決めた。とはいえ、日米併願の困難さは想像以上。ギリギリの努力を続け、迎えた東大の最終試験、試験官の「ヤメ!」の声でペンを置いたときは、心からホッとしたという。「できることはすべてやり切りました。ヘトヘトでした(笑)」。努力が実り、東京大学理科Ⅱ類の合格も掴んだ。
なりたいと思った自分に妥協しない
古川さんは高3の夏休み、宮城県のNPO施設でインターンをした。代表の「子どもが新しいことを発見する輝きが、町にとって復興への大きな活力だった」という話に惹かれたのだ。 するとそこで、東北大学が「災害と生きる力」というテーマをはじめ、認知神経科学の分野で進んだ研究をしていることを教えてもらう。興味を持った古川さんは、直接メールし、研究室を訪問した。 そこには、MRI装置を使って無害に脳の活動を可視化し、さまざまな研究に取り組んでいる研究者の姿があった。「この研究の先に、思考力や表現力を養成する、新たなメソッドやカリキュラムができるのではないかと思いました。認知神経科学を用いれば、自分が感じた学びの楽しさを、どんな子どもにも再現できる。そんなイメージが広がりました」 幸いにもカルフォニア大学バークレー校には、つい最近開講された教育サイエンスの講座がある。やりたいことが一つにつながり、認知神経科学の研究者という、なりたいものが見えた瞬間だった。そして、「なりたいと思ったら、突き進む」のが古川さんだ。 幼稚園のとき、逆上がりができないことが悔しくて、できるようになるまで毎日、毎日公園で練習したという彼女は、「そうなりたいと思った気持ちに妥協したくない。自分との約束を守りたいんです」と話す。 彼女はきっとアメリカでも、自分との約束を、守り切ることだろう。