


2025 年度 大学入試スケジュール(私立大学)②


本記事は2025 年度 大学入試スケジュール(私立大学)①の続きの記事です。こちらも併せてご覧ください。
【2】私立大学一般選抜における新課程入試での変更点
2025年度入試では新学習指導要領での入試となることに伴い、さまざまな点での変更が公表されている。私立大学一般選抜においては、試験における教科・科目が新課程に対応したものになる他、共通テストを利用する方式や大学が独自に行う試験と共通テストの成績を併用する方式で『情報Ⅰ』が選択可能な科目として追加されるケースなどがみられる。
個別試験での「情報」の取り扱いについては、ほとんどの大学では個別の試験教科・科目としての設置は見送られている。例外として、慶應義塾大の総合政策学部と環境情報学部では受験教科『情報および数学』の一部として『情報Ⅰ』『情報Ⅱ』が試験科目となっている。
数学については、特に文系の学部において、2025年度入試では試験科目として『数B、数C』となっている場合でも、出題範囲が『数B』からは数列のみ、『数C』からはベクトルのみといった形で、旧課程の『数B』の範囲となっているケースが多くみられる。
「歴史」では、大学・学部によって共通テストと同様に『歴史総合、日本史探究』『歴史総合、世界史探究』の形で歴史総合を含めている場合と、『日本史探究』『世界史探究』のみとなっている場合とがある。同一大学でも学部によって設定科目が異なる場合もあり、また歴史総合を含む場合でも、範囲を日本史、世界史のどちらかが主になるよう設定している場合もあるので、出題範囲は確実に把握しておこう。
なお、2025年度入試については新課程に対応した入試の1年目であり、旧課程の履修者が多数受験することも見込まれるため、経過措置として比較的変更による影響が小さくなるよう配慮されているように見受けられる。次年度以降に関してはより新課程に即した入試形態となる可能性がある点も留意したい。
【3】私立大学のキャンパス移転
近年、郊外型のキャンパスからアクセス利便性の高い都市部のキャンパスへ学部を移転する「都市回帰」の流れが続いている。
2025年には東京理科大が薬学部の移転を予定している。薬学部は現在千葉県の野田キャンパスに所在しているが、東京都の葛飾キャンパスへ移転し、より都心からのアクセスが向上する。また、移転と合わせて葛飾キャンパスに新校舎が建設されている。
また、同じく2025年に龍谷大は社会学部を滋賀県に所在する瀬田キャンパスから京都府の深草キャンパスに移転予定である。この移転に合わせて龍谷大は深草キャンパスで4つの新棟建設と1つの既存施設の改修からなる大規模な施設整備を行っており、社会科学系の学部を中心に構成される深草キャンパスを社会科学の集積拠点と位置づけている。
このように、キャンパスの移転によって場合によってはキャンパスの立地する都道府県まで変わるケースもある。自宅から通学できる範囲で大学を選びたい場合は注意が必要だ。また、移転計画によっては入学後に通学するキャンパスが変更となる可能性もある。最新の情報を各大学ウェブサイト等からチェックするようにしたい。