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社会を変えるDATA SCIENCE 一橋大学①

社会を変えるDATA SCIENCE 一橋大学①
社会を変えるDATA SCIENCE 一橋大学①


 データは社会課題を解決するための手段――。これが一橋大学ソーシャル・データサイエンス研究科教授の檜山敦先生の考え方です。高齢者の社会参加を促進するプラットフォーム「GBER」の開発や、VRを活用した高齢者向けリハビリなど、データサイエンスの社会実装に取り組んでいます。檜山先生は「単にデータを分析するだけではなく、社会に役立つアウトプットを生み出すことが重要」と語ります。

データから社会課題の解決策を導き出す


 ソーシャルデータサイエンスは、単純にデータを分析・活用する技術を深めるだけではありません。社会的な問題を見据えたうえで、データを活用しながら課題達成に向けたアプローチを達成する新たな学術領域です。

 一橋大学は明治初期の商法講習所を期限とし、商学教育・研究の拠点として発展してきました。その伝統を生かし、マーケティングの視点や地域連携、多様なステークホルダー(関係者)との協働、ビジネスモデルの構築など、商科大学の強みを生かした総合的なデータサイエンス教育・研究を展開しています。

 私が取り組んでいる研究の一つに高齢者の社会参加と就労を促進する情報プラットフォーム「GBER(ジーバー)」があります。GBERは、地域の元気な高齢者を集めるという意味の英語 "Gathering Brisk Elderly in the Region" の頭文字を取っています。

 日本の人口構造は、2050年には完全な逆ピラミッド型になると予測されています。しかし、65歳以上の多くの方々はとても元気です。退職した人たちを支えられるだけの存在と決めつけている今の社会構造が、超高齢社会問題の最大の課題なのではないでしょうか。GEBRは、高齢者一人ひとりの経験や能力、興味関心を生かし、地域社会に貢献できる機会を提供することを目指しています。私はこれを「モザイク型の社会参加・就労」と呼んでいます。高齢者の多様な経験や能力をモザイクのように組み合わせるイメージです。


未来を作るデータサイエンス

 私たちの研究室では、バーチャルリアリティー(VR)技術を活用した高齢者支援にも取り組んでいます。例えば、VRを使った「バーチャル旅行体験」は、外出が難しい高齢者の認知機能向上や身体機能の維持に効果があることが分かっています。

 また、大学キャンパス内には「リビングラボ」と呼ばれる空間を設置しています。ここでは、学生、研究者、企業、地域住民が集まり、社会課題の解決に向けたプロジェクトを立ち上げています。実際の生活環境に近い場所で実証実験を行うことで、研究成果の社会実装を加速させています。

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