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就職からみた大学選び②

就職からみた大学選び②
就職からみた大学選び②

本記事は、就職からみた大学選び①の続きの記事です。こちらも併せてご覧ください。


■外国人採用の増加、就職の国際競争化

 

 政府は、2016年に公表した「日本再興戦略2016―第4次産業革命に向けて―」の中で、「外国人留学生の日本国内での就職率を現状の3割から5割に向上させることを目指す」としていたが、2023年4月、政府の教育未来創造会議のワーキンググループは、外国人留学生の国内就職率を2033年までに6割にする目標を示した。同年3月の教育未来創造会議で2033年までに外国人留学生を40万人受け入れると表明しており、外国人留学生の増加とともに、国内での就職支援が加速される見込みだ。人口が減少し続ける日本にとって、外国人留学生は、日本国内での労働力として期待されている。


 グラフ3は、株式会社キャリタスが行った「外国人留学生/高度外国人材の採用に関する調査〈2023年12月調査〉」の結果である。外国人留学生の採用実績では、2023年度は「採用した」企業は予定を含め21.8%であったが、2024年度において採用を見込んでいる企業は39.6%と、今後の採用意欲は高い状態である。また、グラフ4は外国人留学生(大学(学部))の就職者数の推移である。2022年度では、大学(学部)を卒業した留学生のうち37.6%(前年度比4.9ポイント増加)が出身国には帰らずに、日本で就職をしている。

 

 外国人留学生数はコロナ禍においても堅調に推移しており、今後も外国人留学生の増加は見込まれる。先に述べたように、政府は有能な労働力を求める企業にとって優秀な人材確保を行う方針であり、今後就職戦線は、外国人留学生を含めた競合が進むだろう。




■大学生 就職希望企業ランキング

 

 大学生の人気企業ランキングには、その時代の業種や企業に対するイメージが反映される。大学生は、どのような企業に良い印象を持っているのだろうか。表4・5は、株式会社キャリタスが運営している就職情報サイト「キャリタス就活」に登録している大学・大学院在学者を対象に行った文系・理系別の人気企業ランキングである。


 文系学生をみると、上位3位を都市銀行が独占したほか、金融業界の人気の高さがうかがえる結果となった。コロナ禍の影響で近年人気を落としていた航空業界では日本航空(JAL)が前年20位から8 位にランクアップ、前年29位であった全日本空輸(ANA)が12位にランクアップと、人気の回復が見て取れる。


 理系学生では、Skyが前年の6位から順位を上げトップに躍り出た。Skyは文系学生のランキングでも5位と上位に入っており、文理を問わず強い人気を得ていることがわかる。また、東海旅客鉄道(JR東海)が前年の31位から13位へランクアップ、東日本旅客鉄道(JR東日本)が前年の36位から17位へランクアップと、コロナ禍で落ち込んでいた鉄道業界の人気が回復している様子が見て取れる。


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