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就職からみた大学選び⑫

就職からみた大学選び⑫
就職からみた大学選び⑫

本記事は、就職からみた大学選び⑪の続きの記事です。こちらも併せてご覧ください。


5.女性の研究者

 日本で研究者として活躍する女性はどれくらいいるのだろうか。「2023年(令和5年)科学技術研究調査」によると、日本では2022年時点で約183,300人の女性が大学等の教育機関や企業・団体等で研究者として活動している。これは日本の研究者全体の18.3%に当たる。研究者全体における女性研究者数、割合ともに2013年からの10年間で増加を続けており、女性研究者の数は2013年の約130,600人から5万人以上増加している。一方で、他国と比較すると、女性研究者比率が2割にも満たないというのはいまだ圧倒的に少ない水準であると言わざるを得ない。






 

 研究部門別でみると、2022年度に研究者として新規採用された者の女性比率は農学部門では49.5%、保健部門では40.4%と比較的高い割合であった。一方で工学部門では13.5%と前年からさらに2.5ポイント減少し、非常に低い水準となっている。




 

 こういった現状を改善するため、学生や教員の募集に女性枠を設ける試みを行う大学も増えている。京都大は「対話を根幹とした自学自習という教育理念を踏まえ、さまざまな属性や背景を持つ学生たちが互いに存分に語り合い、議論をしながら学びを深める環境を実現するために、キャンパス構成員の多様性を十分に確保することが極めて重要である」との考えのもと、2026年度入試より理学部と工学部の特色入試(総合型選抜および学校推薦型選抜)において女性募集枠を新設すると発表した。また東京工業大(2024年10月1日より東京医科歯科大と統合し東京科学大)では、性別を問わず出願できる一般枠に加えて総合型選抜・学校推薦型選抜で女性のみが出願可能な「女子枠」が2024年度入試より導入されており、2025年度の時点で総合型選抜・学校推薦型選抜の募集人員の合計227人のうち143人が「女子枠」からの募集となる。当時東京工業大の学長であった益一哉氏は「女子枠」導入のプレスリリースに寄せたメッセージで「理工系女子学生の割合がある一定数を超えることで、保護者や家庭を取り巻く人々ひいては社会全体の意識も変化し、これにより真に誰もが隔てなく、学び、働ける知的活力にあふれた環境のもと、さまざまなスキルや異なった価値観・経験、幅広い知見を持つ学生や教職員が集まり教育と研究を行えるようになります」と、理工系に進学する女子学生が増加することの意義を強調し、「女子枠」の導入を「理工系分野における女性研究者・技術者を増やすことを目指したものであり、日本の将来の科学技術の発展に女性の活躍が必須と考えたためのものです」と語っている。

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