2025年度入試動向(私立大学)③
本記事は、2025年度入試動向(私立大学)②の続きの記事です。こちらも併せてご覧ください。
(2)主要私立大学2025年度入試動向
表4、表5、表6は、同じく東進の「第3回8月 共通テスト本番レベル模試」の2016年度から2025年度入試(2020年度まで「センター試験本番レベル模試」)における私立大学志望動向(高3生)を、大学別に2016年度入試の志望を100とした指数で表したものである。これらを表3の全体傾向と比較しながら見ていこう。
早稲田大では、「環境・情報・国際・総合」以外のすべての系統で増加する結果となった。特に「経済・経営・商」(前年度比111%)、「理学」(同111%)「工学」(同103%)では近年増加傾向が継続している。
慶應義塾大では、前年度の全体的な大幅増を受けて、ほとんどの系統が反動による減少となった。前年度に大幅な減少となっていた「看護・保健・医療技術」(同105%)で増加となったほか、「文・人文・人間系」(同118%)は前年度に続き増加となった。
上智大では、全ての系統で増加する結果となった前年度に引き続き、「看護・保 健・医療技術」(同93%)以外のすべての系統で増加した。
東京理科大 は、前年度は大幅な減少であった「環境・情報・国際・総合」(同116%)を含めたすべての系統で増加となった。
明治大 では、前年度大幅な増加を見せた「環境・情報・国際・総合」(前年度比91%)が減少となったが、その他の系統では増加・もしくは維持となった。特に「農・水産・獣医」では前年度比113%、「社会・社会福祉」では同109%と高い人気が継続している。
青山学院大は前年度まで減少傾向にあった「法・政治」(同117%)が増加に転じるなど、「社会・社会福祉」(同93%)以外のすべての系統で増加となった。
立教大は「環境・情報・国際・総合」(同114%)、「教育・体育・人間発達」(同111%)で大きく増加した一方、「芸術文化・造形」(同80%)は大幅な減少となった。
法政大は、「工学」(同114%)が指数150を突破する大幅な増加を見せた。前年度に大幅に増加した「理学」(同93%)では今年度は反動で減少となった。
中央大では、「工学」(同115%)、「理学」(同114%)が近年続く増加傾向の中、ともに指数150を超える結果となった。
関西大では「経済・経営・商」(同116%)で3年連続の増加となった一方、「法・政治」(同84%)、「教育・体育・人間発達」(同91%)、「環境・情報・国際・総合」(同90%)では2年連続での減少となった。
関西学院大は、すべての系統で大幅な増加となった前年度を受けて、全体的に前年度並みか反動による減少が見られる中で、「理学」(同121%)は引き続き大幅な増加となった。
同志社大は前年度に非常に大きな増加となった「理学」(同80%)、「芸術文化・造形」(同85%)で揺り戻しが起こり、大幅な減少となった。
立命館大では、「薬学」(同113%)が大幅に増加となったほかは、全体的に増加・減少ともに小幅であり、概ね前年と同程度となった。
グラフ8は、「経済・経営・商」系統の志望動向の推移を2016年度の志望を100問した指数で各大学についてまとめたものである。コロナ禍真っ只中の入試であった2022年度入試以降、全体的に徐々に回復を見せており、2025年度入試についてはコロナ禍以前より志望者数が減少を見せていた大学を含めた多くの大学で指数が100を超える結果となっている。