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2025年度入試動向②(国公立大学)

2025年度入試動向②(国公立大学)
2025年度入試動向②(国公立大学)

本記事は、2025年度入試動向①(国公立大学)の続きの記事です。こちらも併せてご覧ください。


2 国公立大学の志望状況

⑴学部系統別の志望動向~2021年度から増減に変化も

 表2は、2016年度から2025年度入試までの東進「第3回 8月共通テスト本番レベル模試講評」におけるデータを基に、国公立大の志望動向(高3生)を学部系統別に2016年度入試の志望を100とした指数で表したものである。

 また、2025年度入試の志望動向を2024年度と比較したデータを、表の一番右の列にパーセントで示している。この学部系統別のデータを基に、2025年度入試の志願動向を見ていこう。

 文系の学部系統では、コロナ禍以降人気が下降していた「外国語」が、前年度比116%と大きく持ち直した。「経済・経営・商」は2年連続での増加となっている。一方で「法・政治」では2年連続での減少であった。「文・人文・人間系」は微増に転じたものの、依然として指数100を下回っている。

 次に理系の学部系統を見てみよう。理系の学問分野については年度ごとの増減はあるものの、全体として強い増加傾向にある。一時指数70を下回っていた「農・水産・獣医」も4年連続での増加と回復を見せている。その中で、「看護・保健・医療技術」では対照的に減少傾向が加速しており、2025年度はさらに大きな減少幅となっている。

 最後に学際系統を見ると、設置学部・学科新設ラッシュが続く「情報」で今年度も大幅な増加となった。その他の系統では減少傾向が続いている。


⑵主要国立大学の志望動向

 次に、主要国立大学について志望動向を見てみよう。

 表3は、東進の「第3回 8月 共通テスト本番レベル模試」の2016年度入試から2025年度入試までの志望(高3生)を主要国立大について大学別・学部系統別に、2016年度志望動向を100とした指数で表したものである。

 まず、北海道大では前年度に大きく減少した「文・人文・人間系」(前年度比124%)、「工学」(同106%)で揺り戻し的に増加となった。一方で、「看護・保健・医療技術」(同93%)は5年連続、「教育・体育・人間発達」(同92%)では4年連続での減少となった。

 東北大では、「理学」(同118%)、「工学」(同117%)、「農・水産・獣医」(同114%)で、大幅増であった前年度に引き続いての大幅増となった。前年度に急激な増加となった「歯学」(同95%)、「医学」(同85%)では反動で減少となった。

 東京大は全体として概ね前年度並みであった。「理・工学」(同106%)では7年連続、「経済・経営・商」(同105%)、では6年連続での増加となった。

 東京工業大と東京医科歯科大の統合により誕生した東京科学大は、「理学(理学院)」(同116%)、「工学(理学院以外)」(同106%)がともに増加となっている。

 一橋大では、「経済・経営・商」(同102%)は2年連続での増加となった。前年度に大幅に増加した「社会・社会福祉」(同90%)は、反動で減少した。2023年度に新設されたソーシャル・データサイエンス学部の属する「環境・情報・国際・総合」(同108%)は前年度の減少から回復する形となった。

 名古屋大は、「医学」(同84%) が大幅な減少となった。その他の系統では増加し、特に「農・水産・獣医」(同120%)、「経済・経営・商」(同116%)では4年連続の増加となった。その他、「理学」(同120%)、「教育・体育・人間発達」(同120%)でも大幅な増加が見られた。

 京都大は、「薬学」(同102%)を除く系統で減少する結果となった。「薬学」についても前年度の大幅な減少に対して微増であったため、全体として減少傾向が続いているといえる。

 大阪大は、コロナ禍の影響で一時指数が100を下回っていた「外国語」(同118%)が2年連続での大幅な増加を受けて再び指数100を上回る結果となった。また、「経済・経営・商」(同118%)、「歯学」(同106%)でも2年連続での増加となった。

 神戸大では、「看護・保健・医療技術」(同83%)が3年連続の減少となり、2016年度の水準を割り込んだ前年度からさらに大幅な減少となった。一方で「経済・経営・商」(同102%)では3年連続で増加する結果となった。

 九州大は、多くの分野で大幅な増加となり、特に「経済・経営・商」(同118%)では指数が2016年度の2倍を越える結果となった。「環境・情報・国際・総合」(同89%)、「医学」(同92%)は減少した。

 ここで取り上げた主要国立大学の大学ごとの志望動向の推移を比較するために、例として各大学の「工学」(東京大では「理・工学」)と「経営・経済・商」の系統について、その動向をグラフ8、9にまとめた。各大学の人気の変動を見ることができる。

 なお、この分析は、8月の模擬試験の段階での各大学の志望者数の変動を見たものであり、実際の志願動向は必ずしもこの通りになるとは限らないので、志望校選びの際には、幅広く情報を集めてもらいたい。

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