


特集 2025年度共通テスト速報③


本記事は特集 2025年度共通テスト速報②の続きの記事です。こちらの記事も併せてご覧ください。
2025年度共通テストの主要科目について、出題傾向、難易度などを分析する。なお、詳細な分析については、東進公式Webサイト「東進ドットコム」の「大学入学共通テスト 解答開設2025」に掲載されているので、参照してほしい。
Webサイトはこちらから→https://www.toshin.com/kyotsutest/
【国語】
前年までと比較してシンプルな出題形式となった。大問数・設問数は前年より増加したが、ほとんどの設問の選択肢が5択から4択になった。
第1問 「観光におけるまなざし」をテーマにした文章が題材。前年までみられた設問中の生徒同士の会話等は無くなった。本文の分量はほぼ前年並み。問2以降は、すべて傍線部に関する説明を求める設問だった。
第2問 出典は、蜂飼耳「繭の遊戯」で、詩人でもある作家の比喩的な表現の多い小説である。文章量が増加し、登場人物の様子や心情などを読み取る問題だった。
第3問 新課程の実用的文章が出題された。文章やグラフなどの資料を読み取る問題で、Uさんがまとめた【文章】と、Uさんが集めた資料を自分でまとめ直した【資料Ⅰ】【資料Ⅱ】が提示された。
第4問 古文は平安時代の物語文から『在明の別』と『源氏物語』の2つが出題された。3年ぶりに本文に2つの文章が提示された。前年に比べ、設問数・解答数ともに1つ減った。
第5問 漢文は『論語』の一節を引いた江戸時代の漢学者皆川淇園の注釈とその弟子の田中履堂の読書論から出題された。共通テストで初めて日本人の漢文が含まれた。
【数学Ⅰ、数学A】
前年までの選択問題ありの5問から、全問必答の4問となった。新課程で加わった内容として、「データの分析」の外れ値・仮説検定の問題、「場合の数と確率」の期待値の問題が出題された。
第1問 〔1〕「数と式・集合と命題」は、方程式の解がテーマの問題。〔2〕「図形と計量」は、交わる2つの円の交点、それぞれの円の中心、共通の接線との接点を頂点とする三角形の考察を行う問題。前半の導出に至る一連の考え方を、別の図形に適用できるかが問われた。
第2問 〔1〕「2次関数」は、公園の噴水を題材とした2次関数の決定を行う問題。〔2〕「データの分析」は、都道府県別の外国人・日本人宿泊者数のデータの考察を行う問題であった。
第3問 「図形の性質」は、五面体の問題で、(1)は3直線が1点で交わることの証明の補完、(2)は五面体の頂点が球面上にあるときの辺の長さなどを求める問題であった。
第4問 「場合の数と確率」は、くじ引き料の設定の妥当性を、期待値の計算により考察する問題であった。
【数学Ⅱ、数学B、数学C】
前年までの必答問題2問、選択問題3問から2問の計4問を解答する形(試験時間60分)から、必答問題3問、選択問題4問から3問の計6問を解答する形(試験時間70分)となった。数学Cからは、「複素数平面」と数学Bから移った「ベクトル」が出題されたが、試作問題で見られた「平面上の曲線」は出題されなかった。
第1問 「三角関数」は、会話などのヒントに従って三角関数を含む方程式の解を求める問題。
第2問 「指数関数・対数関数」は、メダカの飼育に際して水草が水面を覆う面積についての計算を、常用対数表を利用して行う問題であった。
第3問 「微積分法」は、共通の導関数をもつ2つの関数のグラフや極大・極小などを考察する問題であった。
第4問 「数列」は、座標平面上の領域の内部にある格子点の個数を求める問題。
第5問 「統計的な推測」は、正規分布や二項分布の確率と期待値、母平均の推定、仮説検定などに関する問題であった。第6問 「ベクトル」から、空間中の3点が正三角形をつくる条件を考察する問題が出題された。
第6問 「ベクトル」は、球面上の3点を結んでできる三角形が正三角形になるように点を取ることができるかの考察を行う問題であった。
第7問 「複素数平面」は、1点を通る2直線が直交する条件や、点の描く軌跡などを考察する問題であった。