


大学入学共通テスト③ 情報Ⅰ


この記事は大学入学共通テスト徹底分析②の続きです。こちらの記事も併せてご覧ください。

高い平均点となった今年度の反動で来年の情報Ⅰは難化の予想
情報Iは、2025年の共通テストから導入された新しい科目です。改革初年度は共通テストの傾向として易化しやすく、情報Ⅰの共通テスト本試験の平均点は69.26点と非常に高いものになりました。
東進生の受験生平均点は75.43点、高2生の平均点は65.18点とどちらも非常に高いレベルです。文理別に見ても文系は71.53点理系は77.47点で全体的に理系の出来が良いものの、大きな差は生じませんでした。いずれの平均点も高くなった要因には、教科書に出てくる知識そのものを問う問題が少なく、文章を読み取るだけで解ける問題が多かったことが挙げられます。
一方、高2生文理別の平均点を見ると理系と文系の差は約4点で、高2生ではほとんど差が見られませんでした。このことから、受験までの一年間でどれだけ共通テスト形式の演習を積めるかがポイントになると言えるでしょう。
今年の結果から、2026年度の共通テストは今年度と比較すると難化が予想されます。しかし難化易化にかかわらず、教科書レベルの基本知識を定着させ、そのうえで共通テスト形式の演習を積んでいくことが最善策であることに変わりはありません。

読解力と思考力の底上げプラス時間配分対策で高得点を目指そう
高2生の正答率が特に低く、文理で差が出た問題がいくつかありました。ここでは第2問Bのシミュレーションの問題を取りあげたいと思います。この問題では、一万円札で支払う人と千円札で支払う人がいるという状況で、手元に用意しておくべき千円札の枚数をシミュレーションする問題です。
この問題にはフキダシがついていて、そこに考え方のヒント、ほぼ答えを参考にしながら表を構成することができます。そのため受験生は65.9%と高い正解率でした。一方で高2生の正解率は50.2%です。
おそらくこの表自体を完成させることができた人は多かったと思いますが、10人目の「手元と千円札の枚数」が-10となり、それを結論として解答に当てはめてしまった人が多かったのではないかと思います。問題設定は「おつりに困らない枚数は何枚なのか?」なので、表に出てきた最小の枚数を挙げることができるか、問題文をきちんと読み解くことができていたら、高2生の正解率ももっと上がっていたはずです。
情報Iはしっかりと文章を読み込めば答えられる問題も多く、読解力と思考力がポイントです。これらの力を底上げするには、教科書レベルの基礎知識を活用すること。そして初見の問題でも文章をていねいに読み込み、得られたヒントを基に解
答を導くトレーニングが大切です。また、読み込む文章量の多さから試験では時間が足りなくなることも考えられるため、演習では時間配分や問題を解く順序を決めておくことも大切でしょう。
目安としては第1問と第2問を25分、第3問のプログラミングに20分、第4問のデータの活用に15分。このような目安配分で問題を解くことで時間切れと解答のブランクをなくす戦略を立てるのもおススメです。
