


2025年度大学入学共通テスト


国公立大学でも、高3の12月以前に試験を実施する総合型選抜、学校推薦型選抜が増加傾向にある。2025年度入試では、総合型選抜・学校推薦型選抜の募集人員が国立大学で20,501人(募集人員全体の21.3%)、公立大学で11,272人(同32.9%)を占めた。
また、2025年度入試から大学入学共通テスト(以下、共通テスト)に「情報Ⅰ」が追加された。国公立大学の個別試験(2次試験)では「より高度な記述式」の問題が課される方針が示されている。
以上のように、大学入試を取り巻く状況は変化しており、最新の情報を収集しておく必要がある。今回は、2025年度入試結果分析の第1回として共通テストと国公立大学の一般選抜について特集する。
2025年度大学入学共通テスト⑴共通テストの志願者数の推移
2025年度共通テストの志願者数は、495,171人であった。前年度から3,257人増加となった。高等学校等卒業見込者(高3生)は前年度から6,434人増の425,968人、高等学校等卒業者(既卒生)は前年度から3,246人減少の64,974人となった。

⑵共通テストの平均点の推移
今年度から新課程での入試となり、新たに「情報Ⅰ」が追加された。数学では「数学Ⅱ、数学B」に「数学C」が追加され、地歴・公民では「歴史総合、日本史探究」、「歴史総合、世界史探究」、「地理総合、地理探究」、「公共、倫理」、「公共、政治・経済」が受験科目となった。また、今年度に限り既卒生のための経過措置として、一部の科目が旧課程でも実施された。表1は、2025年度共通テスト本試験の主要科目の平均点と国公立大学を想定した総合平均点を文系と理系について算出したものである。
各科目の平均点を見ていくと、「英語(リーディング)」(100点満点)は前年度から6.15点アップ、「英語(リスニング)」(100点満点)は5.93点ダウンとなった。「国語」(200点満点)は10.17点のアップ。数学では「旧数学Ⅰ・旧数学A」(100点満点)は8.48点アップ、「旧数学Ⅱ・旧数学B」(100点満点)は1.68点アップとなった。新課程の「数学Ⅰ、数学A」(100点満点)の平均点は53.51点、「数学Ⅱ、数学B、数学C」(100点満点)の平均点は51.56点であった。基礎のつかない理科では「化学」(100点満点)で9.43点ダウン、「地学」(100点満点)で14.98点ダウンであった。「情報Ⅰ」の平均点は69.26点となった。なお、今年度は得点調整が行われなかった。
これらを元に、理系6教科8科目と文系6教科8科目の総合平均点を算出すると、文系が621.00点、理系が636.00点であった。


※文系平均点は、理科は基礎を付した科目2科目を選択した場合の加重平均、地歴・公民は主要科目の加重平均を用いた。(東進推計)
※理系平均点は、理科は基礎を付さない科目2科目を選択した場合の加重平均、地歴・公民は主要科目の加重平均を用いた。(東進推計)
※2025年度の総合平均点は「情報Ⅰ」を含む新課程科目で算出。(東進推計)
※2021年度と2023年度は得点調整後のデータ
※2021年度は第1日程の平均点