新時代のパスポート 世界を創る半導体・デジタル最前線 東京大学 チップづくりを実践的に学ぶAgile-X開発プラットフォーム
本記事はd.lab第2章がスタート より実践的な人材育成を目指すの続きの記事です。こちらも併せてご覧ください。
チップづくりを実践的に学ぶAgile-X 開発プラットフォーム
研究から設計・製造までを担っていける人材を、迅速に、かつできる限り多く輩出する。そのためには設計からのプロセス全体を、少なくとも大学院修士課程の二年間で学べる仕組みが必要です。そこで短期間で実際に半導体チップを試作するために構築されたのが、Agile-X開発プラットフォームです。ここではチップ設計から試作のプロセスを、わずか二週間で完結させます。
半導体設計の難易度は、よくピラミッドに例えられます。たとえばラピダスが稼働するときに求められるような最先端の半導体設計を頂点とするなら、その下準備として前段階のプロセスを順序立てて学んでおく必要があります。そのためには設計プロセスを実際に体験し、設計そのものに対して興味を持ってほしい。
仮に対象がソフトウェアなら、プログラミングコンテストなどを実施すれば多くの学生が参加してくれるでしょう。これと同じように半導体に関心のある学生や大学院生に、半導体チップの設計プロセスを手軽に体験してほしい。そんな思いを込めて立ち上げたのが、Agile-X開発プラットフォームです。
ここでは小型ウエハーから半導体チップを実際に製造できる装置を使い、自分で設計したデバイスを試作できます。しかも、そのためにかかる期間をわずか二週間に抑えました。二週間かけた試作品を、再び二週間かけて5%アップデートできればどうなるか。一年間繰り返せば、当初の約350%まで精度を高められる。このプラットフォームには、それぐらい革新的なデバイスを生み出す可能性が秘められているのです。
設計への興味を高めるために「半導体デザインハッカソン」も行っています。これは画像認識AIを処理する半導体回路の設計を課題として、処理速度や精度を競うコンテストです。これら設計に絞り込んだ専門的な内容の講義を、多くの学生が受講しています。












