大学での学びの内容を知る③(農学〈農業経済学〉系)Part 2

大学での学びの内容を知る③(農学〈農業経済学〉系)Part 2
大学での学びの内容を知る③(農学〈農業経済学〉系)Part 2

本記事は大学での学びの内容を知る③(農学〈農業経済学〉系)の続きの記事です。そちらも併せてご覧ください。


農学系の学びの実例~東京農工大農学部~


〈東京農工大農学研究院 新井祥穂教授インタビュー〉

■研究室での学生の学び

「私の研究室では、学生たちもフィールドワークを中心に研究を進めています。対象とする場所はバラバラですが、農業構造、農業の担い手は誰だろうかということが、1つの核になっています。

 担い手といっても、専業で農業をして生きている人だけが当てはまるとは限りません。例えばいろいろな農外の仕事があるような地域であれば、そちらをやりながら空き時間、空いているエネルギーを農業に用いるスタイル、あるいは農外の仕事を引退した人が関わる農業、これもありだと思うんです。どんな人がどんな形で農業に関わるかは、1つではないと思います。大きな機材を使ってバリバリと農業をするようなイメージもあれば、農村らしい景観を維持するということが大きな目的になっている農業もある。では調査対象の地域で現れる農業って、どのようなものだろうか、何だったら無理なく続くか、というようなことが、研究の軸になっています。

 研究室には、中国・内モンゴルから来た留学生が沢山いて、彼らは自分の出身地でもある内モンゴルでの農業の担い手について研究をしています。内モンゴルでは、農外の仕事に行ける・行けないというのが世代間ではっきり分かれた、その境界になる世代が、今の40代くらいにあたるのです。そこから上の世代は、人生の中でずっと若いときから農業にしか従事できなかった。でもそこから下は、学歴も高くなる、急に農外の仕事に就き出すという、そういう垣根になるような世代がいて、したがって農業も、40歳、50歳ぐらいのずっと農業と近いところで生活していた世代がまだ頑張っていて、現在のところ拡大を続けています。しかし、そういうボリュームある世代が農業を担う年数はあと何十年だという、リミットが見えるわけです。じゃあその世代が退いた後、次はどんな人が担うのだろう、ということが、今後重要なテーマとなっていきますが、こういった発見が、研究室の成果の1つに挙げられます。

 フィールドワークは、夏と冬に行うことが多いですね。稲作の場合、農閑期にあたる時期です。やはりインタビューの対象が忙しい時期にお邪魔するわけにはいかないので、田植えや収穫と被らず、学生も授業がない夏場が1つのチャンスになっています。冬も同様ですが、農地に何も作物がない時期なので農業の現場を体験するという意味ではやや味気ない時期ではあります。大学が休みに入った頃に、フィールドワークへみんなで行こうよ、それまでの期間は、このフィールドワークで何を得ようか、とか、どういう議論の中に自分の成果を位置づけるんだ、といったことを、ゼミナールで皆でディスカッションをしながら準備を進めています」


■東京農工大農学部を目指す皆さんへのメッセージ

「高校生の皆さんは、今は教科書に沿って学ぶことが多いと思うのですが、大学に入ったら『教科書を自分が作ってやる』という気概を持って、勉学に取り組んでもらいたいです。教科書は、その時点でもっとも確からしいことが記載されているものであって、その内容はいつだって書き換えられるものです。書かれた内容を今はよく学び、疑問や異論が浮かんだ場所があれば、自分が新しい知見でその内容を再構築してやろうという意欲をもって進学してください。より深く学ぶという点では、現時点の学年向けのものよりもちょっと専門的な参考書、高校生であれば大学生向けの専門書を読んでみると、かえって理解がしやすかったり、自分の疑問も至極まっとうなものなんだと自信を持ったりするので、トレーニングとしておすすめです。

 小学校の時に町の歴史を調査する授業があった人もいるかと思います。日本の全般的な「社会の動き」は授業で習っているような状態で、自分の住む個別の町の歴史を調査する。そうすると、教科書の知識としてしか理解していなかった歴史が、自分の町も同じように過ごしてきた時間として、非常に具体的で、手の届くところで触れられるものとして体験できるんです。私はそれを非常に魅力的に感じて、以来ずっと、そんなことを仕事でやっているのかなと思います。皆さんにもこの営みの魅力を知っていただき、加わっていただけると嬉しく思います。

 農業経済学は、農業が行われる『場』という発想を大事にしながら、農業を、誰が・どこまで・どうやって・担うのかを考える分野です。広く経済全般や技術、世界を見据えつつ、目の前の地域や人の『来し方行く末』を見る愉しみを、一緒に味わっていきましょう!」

  • 一日体験 導線
  • 個別相談 導線
  • 資料請求 導線
  • 一日体験 導線
  • 個別相談 導線
  • 資料請求 導線
全国 学校のお天気 大学案内 大学入試偏差値ランキング 過去問データベース 入試日程カレンダー 大学入試科目検索システム
    東進ドットコム >  TOSHIN TIMES > 大学での学びの内容を知る③(農学〈農業経済学〉系)Part 2
LINE twitter Instagram Facebook