大学教育・入試改革 (2)2026年度に向けた主要大学の動向

大学教育・入試改革 (2)2026年度に向けた主要大学の動向
大学教育・入試改革 (2)2026年度に向けた主要大学の動向

    共通テストの枠組みが固まる一方で、各大学は独自の教育理念や社会の要請に基づき、入試改革を行っている。ここでは、特に注目すべき大学の動向を詳細に分析し、他の主要大学の変更点と合わせて概観する。

    2024年10月、日本の科学技術・医療分野を牽引する東京工業大と東京医科歯科大が統合し、新たに「東京科学大」が誕生した。統合初年度となった2025年度入試は、ブランド力向上で志願者増が予想されたが、実際の前期志願者総数は4,320名と、前年度両大学計4,628名から前年差-308名・前年比93.3%という意外な結果となった。特に、旧・東京工業大の主要学院であった工学院では募集人員削減(314名→261名)が響き、志願者が1,435名から1,257名へ大幅減となった。物質理工・生命理工・環境社会理工学院でも減少がみられた。

    東京科学大のもう1つの注目点は、女子枠の導入と拡大である。女子枠の設置は統合前の東京工業大で2024年度から始まった。この際、当時の東京工業大 益一哉学長は女子枠の設置の意義について以下のように話している。

    ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)をさらに強く推し進める力は何かと試行錯誤する中で、理工系バックグラウンドを持つ女性が企業において求められている状況を目の当たりにし、女子学生を増やすための入試制度である「女子枠」を導入することで、女性が社会で活躍するD&Iの推進に貢献できるという考えに至りました。OECD諸国の中で日本の高等教育機関における女子学生の割合が最低に位置する現状を打破するためには、純粋に「女子学生数の割合を増やす」という目的に特化した方法を遂行することが重要です。(中略)

    理工系女子学生の割合がある一定数を超えることで、保護者や家庭を取り巻く人々ひいては社会全体の意識も変化し、これにより真に誰もが隔てなく、学び、働ける知的活力にあふれた環境のもと、さまざまなスキルや異なった価値観・経験、幅広い知見を持つ学生や教職員が集まり教育と研究を行えるようになります。

    この多様な人々の集まりがイノベーションを創出することは、本学の使命である科学技術の発展および人類・社会への貢献につながると考えます。今回の入試制度「女子枠」の導入は、理工系分野における女性研究者・技術者を増やすことを目指したものであり、日本の将来の科学技術の発展に女性の活躍が必須と考えたためのものです。

出典:「東京工業大学が総合型・学校推薦型選抜で143人の「女子枠」を導入」

https://www.titech.ac.jp/news/2022/065237

東京工業大では2024年度入試で4学院に女子枠を設け、58名募集に対し平均4.6倍の倍率を記録、56名が入学した。これは理工系トップ大学に学びたい女子受験生の潜在需要を示す結果となり、この成功を受け、東京科学大では2025年度入試で対象を理学院・工学院にも拡大、募集人員を約2.5倍の149名に増やした。女子枠を一過性の話題ではなく構造改革と位置づけたこの方針は2026年度も継続見込みで、理工系を志望する女子受験生にとって東京科学大はさらに魅力的な選択肢となるであろう。


    このような、おもに理工系学部での女子比率を増加させるための取り組みは、 国公立大学、私立大学を問わず広がっており、国立大学では京都大の理学部と工学部、大阪大の基礎工学部では2026年度入試より女子枠が設けられる。表3には国公立大学、表4には私立大学の女子枠設置状況をまとめた(2026年度入試)。

    首都圏の理工系私立大学として高い人気を誇る芝浦工業大は、2025年度から大規模な入試改革に着手し、2026 年度はそれが継続される。その改革は、受験生の負担軽減と多様な人材確保を目的としている。

    今回の改革の最大の目玉は、一般選抜における英語の独自試験の完全廃止である。これに代わり、前期日程A 方式、全学統一日程A 方式、後期日程では

のいずれか高いほうを採用する方式に全面移行した。 

  従来の独自試験は国公立大学志望者にとって負担が大きかったが、この壁を取り払ったことで、特別な対策を必要とせず出願できる芝浦工業大の魅力は大きく高まるとみられ、国公立大志願者を含む多様な受験生からの志願拡大が期待され ている。受験生にとっては英検での高スコア取得や共通テスト対策がそのまま芝浦工業大合格に直結し、受験機会が拡大する。

    芝浦工業大では、同時に教育内容の刷新も進む。2026年度からシステム理工学部は従来の学科制を改め、5課程11コース体制に再編。複雑化する社会課題の解決には分野横断的な知識と統合的に考える「システム思考」が必要との理念から、学生は幅広い視点で専門を学び、学際的探究を深められる。

 入試も課程・コース単位で行われ、それぞれに数学・理科の履修要件が設けられるため、受験生は志望コースの内容や要件を早期に把握して戦略的に学習を進める必要がある。

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