サイエンスセミナー 光を操る技術で、医療を革新する MRIの革新で医療診断に、劇的な変化の可能性

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サイエンスセミナー 光を操る技術で、医療を革新する MRIの革新で医療診断に、劇的な変化の可能性

この記事は「サイエンスセミナー 光を操る技術で、医療を革新する 化学のチカラで弱い光を強くする」の続きです。よろしければそちらもあわせてご覧ください。


■ MRIの革新で医療診断に、劇的な変化の可能性

 励起三重項状態を用いることで、フォトン・アップコンバージョンだけではなくスピンを用いた医療診断も可能になります。励起三重項状態とは、わかりやすく言えば「光を受けて興奮した分子が、小さな磁石になった状態」のことです。分子の中にたくさんある電子は、通常、二個ずつペアで存在しています。ペアの電子は、お互いの磁気を打ち消し合っているので、分子全体としては磁石の性質を持ちません。しかし分子に光を当てると、光のエネルギーを受け取った電子は興奮(励起)し、より高いエネルギーの場所に移動します。そのとき電子一つひとつが持っている「スピン」という磁石のような性質の「向き」が揃い、分子全体が磁石となります。

 私たちの研究室では、いまこの技術を応用して、医療機器の「MRI(磁気共鳴画像法)」の精度を圧倒的に高める挑戦をしています。MRIは装置内の患者さんの身体の断面を「輪切り」のように画像化する装置で、がんや脳腫瘍、関節の病変などの検査に活用されています。しかし今のMRIには「画像の精度が低い」「見える物質が少ない」という大きな問題があります。



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