サイエンスセミナー 世界の不思議を突き詰める、量子力学 part3

サイエンスセミナー 世界の不思議を突き詰める、量子力学 part3
サイエンスセミナー 世界の不思議を突き詰める、量子力学 part3

 この記事は「サイエンスセミナー 世界の不思議を突き詰める、量子力学 part2」の続きです。よろしければそちらも併せてご覧ください。

 

 フィスの研究者ヤコポ・カルソット博士から、いきなり声をかけられました。

 「トモキ、トポロジカル絶縁体を知ってるか?」と言われ「知らない」と答えると、「興味はないか」と突っ込んできます。トポロジカル絶縁体について名前は聞いていたし、その分野が盛り上がっているのも知っていました。だから「興味はあるよ」と答えたのがきっかけとなり、共同研究がスタートしたのです。カルソット博士は、振り子でトポロジカル絶縁体をつくれると話しました。これが何が何だかさっぱりわからないながら、何かすごいことを言っている気がしたのです。

 ちょうどその頃、私の研究テーマである超低温のボーズ・アインシュタイン凝縮を活用して、トポロジカルな絶縁体をつくるといったアイデアが広まり始めていました。トポロジカル絶縁体とは絶縁体、つまり電気を通さない物質ですから、本来なら電流は流れません。ところがトポロジカル絶縁体では、なぜか表面だけに電流が流れるのです。トポロジーとは、変形をしても変わらない性質を研究する数学の分野を意味します。例えばコーヒーカップとドーナツは、どちらも穴が一つずつあるためトポロジー的には同じものとみなされます。量子力学では物質の性質は波動関数という関数で表されるのですが、トポロジカル絶縁体はこの関数の形(すなわちトポロジー)が普通の絶縁体とは違っているのです。イタリアにいた五年の間にトポロジー関連で論文をいくつか書き、この分野でも名前を知られるようになりました。


3次元空間から飛び出し人工次元の世界へ


 世界は基本的に3次元、つまり縦・横・高さの三方向に動けます。けれども、ほかにも動ける方向があれば、それも次元と考えてよいはずです。例えばボールを思い浮かべてください。ボールの動く方向は縦・横・高さの三方向、つまり3次元です。けれどもボールにはもう一つ、動ける方向があります。それは回転です。回転する方向を四つ目の次元として考えれば、ボールの動きは4次元といえる。これが人工次元の考え方です。

 ほかにも光が周波数方向に動ければ、周波数も次元とみなせます。これが私の提案した「光の人工次元」です。共振器と呼ばれる光を閉じ込める構造体の中で、屈折率を高速で変化させます。すると周波数方向に力のようなものが加わって、光の周波数が上下する、つまり新しい次元が誕生することを示しました。

 光の周波数による人工次元を活用すれば、1次元的な構造に周波数による人工次元を加えて2次元的な状況を実現できます。あるいは現実の3次元の構造においても、人工次元を加えて4次元的な状況を実現できます。このような人工次元は、量子コンピューターをはじめとする、未来をつくる幅広い分野への応用が考えられています。



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