九州大学・佐賀大学
ダイズ油脂に含まれるフラン酸合成に関与する遺伝⼦を発⾒
九州大学⼤学院農学研究院の⽳井豊昭教授と佐賀⼤学農学部の渡邊啓史准教授、J-オイルミルズらの研究グループは、油脂中にフラン酸をほとんど含まないダイズ突然変異体を⾒出し、これを⽤いて、油脂中のフラン酸合成に関わる遺伝⼦を特定することに世界で初めて成功した。
従来のダイズ油脂に光が当たると、油脂中に含まれるフラン酸が分解し、3-メチル-2,4-ノナンジオン(3-MND)が⽣成され、明所臭と呼ばれる枯れ草様の不快臭が発⽣することが問題となっており、これを解決するための新たな技術開発が待たれていた。
それに対し、本研究で得られたフラン酸含量を減少させる突然変異遺伝⼦は明所臭の発⽣が少ないダイズの開発に利⽤でき、油糧作物としての価値を⾼めたダイズ新品種の育成が可能となる。その結果、フラン酸含量の低いダイズ油脂は、油脂のみならずマヨネーズやドレッシングといったダイズ油脂を使⽤する製品の品質改善にも役⽴つことが期待される。
また、⽳井教授らのグループでは、以前に油脂中のオレイン酸含量を⾼めたダイズ品種の育成にも成功しており、本研究の成果とこれを組み合わせることで、⾼オレイン酸かつフラン酸をほとんど含まない油脂を⽣産するダイズ新品種の育成が可能となり、ダイズ油脂で課題とされていた酸化安定性の増強や油脂の劣化に伴う不快臭の発⽣の軽減が期待されている。
※本記事の内容は掲載日時点の情報です。詳しい情報は大学公式HPから確認してください。
■参考ページ
https://www.kyushu-u.ac.jp/ja/researches/view/1017
https://www.saga-u.ac.jp/koho/press/2023120731709
■九州大学
https://www.kyushu-u.ac.jp/ja/
■佐賀大学
■大学案内(九州大学)
https://www.toshin-daigaku.com/detail.php?id=059
■大学案内(佐賀大学)
https://www.toshin-daigaku.com/detail.php?id=062