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2024年共通テスト「地歴・公民」全体概観:出題形式の変化は?思考力を刺激する問題構成に注目!

大学入学共通テスト(記事1)

2024年大学入学共通テストの全体概観を速報中。1日目の午前に実施された地理歴史・公民の全体概観は以下の通り。


世界史B

大問は4問、設問数は33問と昨年度から大問が1問、設問数も1問減少した。出題形式に関しては、資料(地図、絵画、写真、史料、グラフ・表)の数は23と、2023年の21、2022年の12より増加したが、会話文による出題数は4と、2023年の10、2022年の5に比べて減少した。資料を読解しつつ知識を合わせて考えないと解答にたどり着けない「思考力」を問う問題も昨年と同様に多く出題されている。

 出題形式の変化としては、正解が2つに分岐して次の設問へにも連動した「連動型問題」が本試では初めて出題された(追試では2022年に出題されており、形式も同様である)。その他は大きな変化は見られず、例年通り史料、グラフ、地図などを用いた「思考力と考察力を問う問題」が設問の大半を占めており、共通テスト4年目になって出題形式がほぼ固まったと言えるだろう。

 全体として、時代、地域、分野ともにバランスのとれた出題であったが、リード文や資料をしっかりと読解しなければ解けない問題が大半を占めたため、曖昧な知識だと試験時間内に余裕をもって解き終わることは難しかったであろう。しかし、解答を導くために細かい知識が必要なわけではなく、あくまでも基本的な知識のみで解答できる。模試などを活用して共通テスト型の問題に慣れていたかどうかが、高得点へのカギとなっただろう。


日本史B

大問数、設問数、マーク数、配点いずれも変化はなかった。史料をはじめ、表・図版などの史資料を用いた出題が多く、受験生に多方面から歴史を考えさせる多彩な出題は例年通りだった。分野に着目すると、第3問・第6問が政治史、第4問・第5問が社会経済史と、政治史・経済史がテーマとなる問題が目立った。高校生による「探究」を想定した場面が6大問中5大問で設定され、生徒同士の会話文や、生徒が作成した発表原稿などが素材として出題された。


地理B

分量

前年とほぼ同じ。大問数は5題である。設問数およびマーク数は30。


形式

組合せ式問題のマーク数は16で、前年より2つ減ったが全体の半分以上を占める。特にやや面倒な6択式問題は前年の10から2つ増えている。過去に出題された8択式は出題されなかった。

文章の正誤判定問題が前年の5から6へと増加した。

図版(図、表、写真、資料※)の点数は37で、前年より1つ減ったものの、多用の傾向は続いている。 

※ 図表・写真や短文などを組み合わせた複合的な図版。


現代社会

大問数は昨年と変化なかったが、設問数は1増加した。第1問は安全保障、第2問は働くことと生き方、第3問は政治分野、第4問は開発途上国、第5問は現代社会の課題から地域づくりの問題を中心に出題された。倫理分野の思想史からは1問出題された。いずれの大問も調査研究や会話文などをリードとして用いている。昨年に続き、資料や模式図などを読み解く力を問う問題が多く出題された。


倫理

昨年同様、第1問が源流思想、第2問が日本思想、第3問が西洋近現代思想、第4問が青年期・現代社会分野という構成だった。マーク数、配点に変化はなかったが、第4問で設問数が1減少した。いずれの大問も会話文をリードとして出題された。統計資料読み取り問題は現代社会分野で1問出題された。写真や絵画などの視覚資料は出題されなかった。昨年同様、知識に加えて文脈を読み取る力を問うものが多く出題された。


政治・経済

大問数、設問数、マーク数、配点は昨年と変化がなかった。公開講座・出張講義や探究学習、グループワークがリードとして出題された。昨年に引き続き、資料や会話、模式図を読み取る力を問う設問が出題されている。


倫理、政治・経済

大問数、マーク数、配点に変化はなかった。第4問で設問数が1減少した。昨年同様、第1~4問が倫理分野、第5~7問が政治・経済分野で、それぞれ50点ずつ出題された。すべての問題が「倫理」、「政治・経済」と共通の問題として出題されていた。いずれの大問も会話文や出張講義、グループワークなどがリードとして出題されている。昨年同様、資料や模式図、会話文を読み取る力を問うものが多く出題された。



大学入学共通テスト(記事1)

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