【共通テスト2024 】国語はやや易化。昨年から大問数は変化なし。設問数は1つ減少、マーク数は1つ増加
大問数4題、各大問の配点50点。大問数は変化なし。設問数は1つ減り、マーク数は1つ増えた。
第1問の評論では、「音楽」や「芸術」という概念の自明性を問い直す評論文が出題された。昨年、一昨年と続いた複数テクスト形式ではなく、一つの文章と「生徒の書いたレポート」からなるシンプルな形式であった。
問1の漢字問題は傍線部の漢字に相当する漢字を含むものを選ぶ問題が5題出題され、センター試験時代の形式に戻った。
問2~問5は本文からの出題(問5は「文章の構成・展開に関する問題」)、問6は本文を読んだ「Sさん」が自分の書いたレポートを推敲する、という形式で(ⅰ)から(ⅲ)までの小問が付された。難易度は昨年より易。
第2問の小説の出典は最近発表された若手小説家の小説で、人物の性格・役柄を話題とした内容であった。本文の長さと、設問数は7つで昨年と同じだが、マーク数は2つ増えた。語句の意味に関する設問が復活する一方、最後の問7では資料(太田省吾 劇作家、演出家)の文章を踏まえた生徒と教師の対話による空欄補充問題が登場している。例年に比べて、問7は、人物の役柄や枠づけという、やや抽象的なことが問われ、たやすくはない。難易度は昨年よりやや難。
第3問の古文は江戸時代の歌文集『草縁集』(内容は物語風作品)からの出題。昨年度の『俊頼髄脳』(歌論)に続いて、和歌に関わる作品の出題となった。江戸時代の作品の出題は、本試験では2018年度センター試験『石上私淑言』以来。本文は一つだけで、問4に「桂」に関する現代文での説明文があるが、古文の引用はない。設問数が4つであることや、短い箇所の解釈・語句や表現に関する説明・和歌に関する説明・説明文の空所補充問題など、出題形式はほぼ昨年と同じであった。問3・問4(ⅰ)から(ⅲ)は、いずれも選択肢が4つであった。難易度は昨年並み。
第4問の漢文は杜牧の七言絶句「華清宮」とそれに関連した蔡正孫の『詩林広記』および程大昌の『考古編』の文章との組み合わせという形式であった。漢詩の形式・押韻の出題があったほか、語の意味、返り点と書き下しの組み合わせ、解釈、説明問題などは例年と大差ないものである。難易度は昨年よりやや易。
難易度は国語全体としては、やや易。